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若手の台頭が目立つ今季のプロ野球。
もう1つのオールスターで原石を発見! 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2013/07/26 10:31

若手の台頭が目立つ今季のプロ野球。もう1つのオールスターで原石を発見!<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

7月18日のフレッシュオールスター、6回表全イ2死二塁で右越えに先制2ランを放った加藤翔平(ロッテ)。試合後には、パ・リーグ後半戦でのさらなる飛躍を誓った。

 今年のプロ野球界は、新人を含め若い選手の台頭が目立つ。先ごろ行われたオールスターゲームも、その象徴的な舞台となった。大谷翔平(日本ハム・1年目19歳)が、第1戦ではパ・リーグ3番手で登板して最速157キロのストレートを披露、続く第2戦目でもセ・リーグの新人で既に8勝している菅野智之(巨人・1年目23歳)からセンター右に二塁打を放ち、初得点も記録している。

 大谷のライバル、藤浪晋太郎(阪神・1年目19歳)も第2戦でセの4番手として登板し、2回を無失点に抑えている。三浦大輔ばりの超遅球を交えた緩急で、大阪桐蔭の先輩である中田翔(日本ハム・6年目24歳)を翻弄し、三振に打ち取るシーンは何度見ても痛快だ。

 彼ら以外でも菊池雄星(西武・4年目22歳)、浅村栄斗(西武・5年目22歳)、さらに第2戦に2番手で登板し、4回から5回にかけてセの中軸から4者連続三振を記録した千賀滉大(ソフトバンク・3年目20歳)、和製ライアンの投球フォームで話題になり、第2戦の勝利投手に輝いた小川泰弘(ヤクルト・1年目23歳)など、枚挙にいとまがないくらい若い選手の活躍が目立っている。

イチロー、中田翔らを送り出したフレッシュオールスター。

 そして、さすがに彼らほどには注目を集めていないものの、無名若手選手の登竜門として名高いのがフレッシュオールスターゲーム(以下フレッシュ球宴)だ。1963(昭和38)年からスタートし、この大会で活躍した選手は数年後プロ野球のスター選手になることも多い。

 実際、大会MVPに輝いた選手の中には'90年石井浩郎(元近鉄など)、'92年イチロー(ヤンキース)、'04年青木宣親(ブルワーズ)、'09年中田翔などがいて、“スター選手への登竜門”がただの謳い文句ではないことがわかる。

 私はフレッシュ球宴を中継するスカイ・A sports+のゲスト解説を2000年代に2回、10年以降は毎年担当させてもらっているが、今年は番組宣伝を兼ねて青山道雄パ・リーグ監督(ロッテ)に取材する機会を得た。このとき最も盛り上がった話題が加藤翔平(ロッテ・1年目22歳)とホームランとの“縁の深さ”だった。

【次ページ】 二度までも大舞台のデビュー戦でホームランを放つ。

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