済美の安楽、報徳学園の乾ら、本格派投手にも注目。

　投手では大会屈指の本格派・済美の安楽が最大の注目株だ。1年生だった昨年、ストレートが既に151キロを計測し、昨年秋の四国大会準決勝はサヨナラ負けを喫したものの3試合で23得点を挙げた鳴門打線から8連続を含む15三振を奪っている。

　鳴門は昨年春、夏の甲子園大会に連続出場し、選抜では準々決勝に進出している強打のチーム。その鳴門で2年時からレギュラー級の活躍をした河野祐斗、伊勢隼人、稲岡賢太のクリーンアップからそれぞれ1、2、2個の三振を奪っているのだ。注目しないわけにはいかない。

　報徳学園の右腕・乾陽平も評判の1人だ。最速146キロのストレートにカーブを交えた緩急の攻めに特徴があり、昨年秋の近畿大会準決勝では強打の大阪桐蔭を1安打に抑えて完封（8対0で7回コールド勝ち）、俄然注目を集める存在になった。

　この試合ばかり注目されるが1回戦の福知山成美戦が1失点完投、準々決勝の大商大堺戦が5安打完封（5回コールド）、決勝の京都翔英戦が敗れているが13回投げて12安打、3失点と抜群の安定感を誇っている。

　好投手と言われる本格派が少ない大会だからこそ、2人には前評判をくつがえす快投を期待したい。考えてみれば、昨年夏の選手権で三振を取りまくり注目を集めた桐光学園・松井も大会前は無名に近い存在だった。

　安楽、乾以外でも140キロ台中盤のストレートを持つ関口明大（花咲徳栄／埼玉）、岸本淳希（敦賀気比／福井）、浦嶌颯太（菰野／三重）、立田将太（大和広陵／奈良）など潜在能力を秘める本格派は少なくない。この中から誰がマスコミの寵児になるのか非常に興味深い。