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甲子園の風BACK NUMBER
東大・京大合格も出す「長崎屈指の公立進学校」がなぜ甲子園21世紀枠の候補に!? 「1日1時間半の練習」で140km投手を3人育てて躍進の秘訣
posted2026/01/28 06:02
グラウンド横の坂道をダッシュする長崎西高の選手たち。限られた時間のなかで頭脳的な練習によって力をつけてきた
text by

内田勝治Katsuharu Uchida
photograph by
Katsuharu Uchida
夕闇が迫る長崎港を、すり鉢状の地形に沿って無数の街灯りが彩り始める。1000万ドルの価値があると称される「日本三大夜景」の一つ、標高333メートルの稲佐山から望む360度の大パノラマだ。
観光客がその煌めきに目を奪われる頃、山の中腹ほどに位置する長崎西高のグラウンドに、もう一つの熱源が灯る。選手たちが吐く白い息は、長崎湾から吹き上げる寒風に舞い、夜景の光に負けない輝きを放つ。
県内屈指の進学校が21世紀枠候補に
長崎西は2025年度の大学入試において東大4名、京大6名の合格者を輩出するなど、県内屈指の進学校だ。昨秋の長崎大会で準優勝、九州大会で8強まで進出。今春センバツの21世紀枠候補に選出された。
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とはいえ、学業優先の環境ゆえに、練習時間は限られている。平日は午後4時すぎに授業が終わると、すぐにユニホームへと着替え、山麓の校舎からグラウンドまで、急勾配が続く約2.5キロの山道を走って移動する。
「これがいいトレーニングなんですよ」
そう言って目を細めるのは、2024年4月からチームを率いる宗田将平監督だ。かつて部長としてこの地に赴任した際、周囲からは「山を登る時間がもったいない」「練習時間が削られる」という意見もあったが、あえてランニング移動を継続させた。
実質的な練習時間は90分
全員がグラウンドに揃うのが午後5時。打撃練習やシートノックを終えた後、午後6時30分には整備や片付けを始め、山道を下っていく。実質的な練習時間は、わずか90分しかない。
「ランニング移動はウォーミングアップ代わりにもなります。グラウンドでやることが限られているので、昼休みにランチミーティングを行い、練習の内容や目的を明確にするなど、グラウンド外でできることをすごく大切にして、90分の中で勝負しています」

