甲子園の風BACK NUMBER

東大・京大合格も出す「長崎屈指の公立進学校」がなぜ甲子園21世紀枠の候補に!? 「1日1時間半の練習」で140km投手を3人育てて躍進の秘訣

posted2026/01/28 06:02

 
東大・京大合格も出す「長崎屈指の公立進学校」がなぜ甲子園21世紀枠の候補に!? 「1日1時間半の練習」で140km投手を3人育てて躍進の秘訣<Number Web> photograph by Katsuharu Uchida

グラウンド横の坂道をダッシュする長崎西高の選手たち。限られた時間のなかで頭脳的な練習によって力をつけてきた

text by

内田勝治

内田勝治Katsuharu Uchida

PROFILE

photograph by

Katsuharu Uchida

 長崎県屈指の進学校である県立長崎西高校。実は、同校は近年野球部も実力を高め、1月30日に決定されるセンバツ21世紀枠の候補に選出されるまでになっている。45年ぶりの甲子園出場をめざす同校の独創的な練習、そして1981年の甲子園での痛恨の記憶とは? 現地に野球部を訪ねた。〈全2回の1回目/つづきを読む

 夕闇が迫る長崎港を、すり鉢状の地形に沿って無数の街灯りが彩り始める。1000万ドルの価値があると称される「日本三大夜景」の一つ、標高333メートルの稲佐山から望む360度の大パノラマだ。

 観光客がその煌めきに目を奪われる頃、山の中腹ほどに位置する長崎西高のグラウンドに、もう一つの熱源が灯る。選手たちが吐く白い息は、長崎湾から吹き上げる寒風に舞い、夜景の光に負けない輝きを放つ。

県内屈指の進学校が21世紀枠候補に

 長崎西は2025年度の大学入試において東大4名、京大6名の合格者を輩出するなど、県内屈指の進学校だ。昨秋の長崎大会で準優勝、九州大会で8強まで進出。今春センバツの21世紀枠候補に選出された。

ADVERTISEMENT

 とはいえ、学業優先の環境ゆえに、練習時間は限られている。平日は午後4時すぎに授業が終わると、すぐにユニホームへと着替え、山麓の校舎からグラウンドまで、急勾配が続く約2.5キロの山道を走って移動する。

「これがいいトレーニングなんですよ」 

 そう言って目を細めるのは、2024年4月からチームを率いる宗田(そうだ)将平監督だ。かつて部長としてこの地に赴任した際、周囲からは「山を登る時間がもったいない」「練習時間が削られる」という意見もあったが、あえてランニング移動を継続させた。

実質的な練習時間は90分

 全員がグラウンドに揃うのが午後5時。打撃練習やシートノックを終えた後、午後6時30分には整備や片付けを始め、山道を下っていく。実質的な練習時間は、わずか90分しかない。

「ランニング移動はウォーミングアップ代わりにもなります。グラウンドでやることが限られているので、昼休みにランチミーティングを行い、練習の内容や目的を明確にするなど、グラウンド外でできることをすごく大切にして、90分の中で勝負しています」

【次ページ】 やっと1日練習ができる

1 2 3 NEXT
#長崎西高校

高校野球の前後の記事

ページトップ