野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
あなたはいつの時点で諦めましたか?
'12年、みんなのペナント終戦記念日。
【セ・リーグ編】
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byShigeru Tanaka
posted2012/10/02 10:30
ここ10年で8度最下位のベイスターズ。今季は中畑体制で心機一転を図ったが、あまりにも早い終戦だった。
秋風、スタンド、消化試合。
9月21日に巨人軍がぶっちぎりでの優勝を収めた今年のセ・リーグペナントレース。ひと月ほど前には、今頃は広島・ヤクルトによる熾烈なCS争い、そして、横浜・阪神による血で血を洗う暗黒王座争いが行われているハズだったのだが。
CS争いは9月11日からの9連戦で広島1勝8敗、ヤクルト8勝1敗と真逆の結果が出て終戦。最下位争いも、気がつけば大きくゲーム差が開き、「暗黒時代の再来か」と怯える阪神ファンに、横浜の闇の深度が並ではないことを思い知らせて終戦。
大勢が決した現在。どんなに負けようとも、「この黒星は価値があった」「来年に繋がる黒星だ」と丹波の黒豆職人の如く、同じような黒星の中から光り輝く黒星を見出しつつ、残されたペナントを楽しんでいる状態である。
今はもう秋。パ・リーグが熾烈な優勝争いを続けるなか、CSが控えていようとも、どこか消化試合ムードが漂う。そんなセ・リーグの試合を観ている時、ふとある思いが過ぎった。
今年のペナントレース。どこで自軍の敗戦を確信したのか――。
そんなことをセ・リーグ各球団を熱烈に応援している、ファン、球団関係者、野球マスコミ関係者にアンケートを採ってみた。題して「2012年プロ野球、ぼくのペナント終戦記念日」。
CSではなく、あくまでもペナントの終戦。個人的な意見があるのはご容赦ということで。
横浜DeNAベイスターズ(7月6日、自力優勝消滅)
新たに「横浜DeNAベイスターズ」として船出した今季。中畑監督を先頭に、今年こそは最下位脱出という気運が高まっていたが、4月4日の本拠地開幕から大連敗で早々に「今年もダメか」と、終戦の吐息を漏らしたファンが続出。
「やはり4月6日広島戦(横浜)。マエケンにノーヒットノーランを喰らったこともありますが、それ以上に直前の2試合(ドラゴンズ戦)も2安打、3安打で零封負けしており、この試合で3試合連続の零封となったことで、今年の終戦を確信しました」(ハマの素浪人さん)
「4月6日広島戦(横浜)でのマエケンのノーノーに、翌日の高崎見殺し。元々巨人ファンで今年からベイスターズファンになったので、あまりに打てない打線、そしてこんな状態が何年も続いているのにファンを続けている横浜ファンの方々にも驚愕しました。でも、ゴールデンウィークの吉村2発は楽しかったなぁ(遠い目)」(栗田さん)
「4月8日広島戦(横浜)。本拠地開幕の中日戦に完敗から、広島3連敗。最後にルーキー野村に手も足も出ず、『そりゃそうだわな』と簡単に暗黒から抜け出せないことを改めて思い知らされた日になりました」(成田さん)