野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
あなたはいつの時点で諦めましたか?
'12年、みんなのペナント終戦記念日。
【セ・リーグ編】
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byShigeru Tanaka
posted2012/10/02 10:30
ここ10年で8度最下位のベイスターズ。今季は中畑体制で心機一転を図ったが、あまりにも早い終戦だった。
雨天中止となった本拠地開幕戦で終戦を迎えていた……。
やはり皆さん、早すぎる。中には「シーズン前。ハナから優勝できると思っていない。今後の試合も極力運を使わず、秋のドラフトに取っておいて欲しい」(トモユキさん)なんて意見があるように、シーズン途中から目標はCS、最下位脱出とどんどん現実路線に下方修正されていく。
「あ、やっぱりダメだ」と思った瞬間は山ほどある。だが、今にして思えば、オープン戦からのいい流れがぶった切られた4月3日の本拠地開幕戦が雨天中止になった瞬間の脱力感こそ、筆者が今年、もっとも強く感じた終戦記念日だったような気がする。
「強いて挙げれば7月11日ヤクルト戦(神宮)。ハデに逆転満塁ホームランを献上した後、最終回の攻撃で、お家芸の『追いつかない程度の追い上げ』で、やっぱり負けた時、結局今年も変わらんのだなぁ、と強く感じました。それと、5月にあった『負けたら返金チケット』で、大勝したのに返金を求めるファンが続出したというニュース。これには別の意味で心をへし折られましたね」(かつとんたろうさん)
「8月3日、4日、5日の巨人戦(横浜)で内海、ホールトン、宮國に完璧に抑えられて3連敗。3戦目には売り出し中のルーキー投手を「勝てばもうけもの」的にテスト登板させられ、まんまと勢いつかせる結果に愕然としました」(松戸のベイファンさん)
「8月31日~9月2日巨人戦(東京ドーム)での3連敗。あそこを境に手が届きそうだった最下位脱出の希望すら見えなくなってしまいました」(クマムラさん)
阪神タイガース(7月8日、自力優勝消滅)
和田新監督を迎え優勝を狙った阪神は、主力選手の不調や故障と世代交代の失敗で大きく順位を落とし、一時は最下位も見えてきて肝を冷やすなど、最悪のシーズンとなってしまった。
「細かく挙げれば枚挙に暇がありませんけど……4月8日対巨人(甲子園)、広い甲子園でまさかのレフトブラゼル。6月29日対ヤクルト(神宮)、5-0からまさかの逆転負け。7月3日対広島(松山)、松山の悲劇(9回2死から2ラン逆転パスボール)。8月11日対広島(京セラ)、1-0からエルドレッドに逆転2ラン。8月18日対ヤクルト(神宮)、1点ビハインド7回無死1、2塁で新井にバント……のあたりでしょうか。個人的には5月12日DeNA戦(横浜スタジアム)、三浦にノーノーをやられかけた試合ですが、9回に桧山が登場して初ヒットを放った時、スタンドは優勝したかのような大騒ぎで僕自身も『負けたけど盛り上がったからよかった』と大満足でした。でも冷静に立ち返ったとき、これは暗黒時代の『新庄が打てば負けてもええんや』みたいな雰囲気に戻り始めているんじゃないか、と。それがわかった時、『阪神の黄金時代はとっくに終わっていたんだ』ということに気が付き涙が溢れてきました……」(ねずみさん)