野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
岡田監督はノムさんを越えるか?
オリックスがボヤキ効果で絶好調。
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2011/09/23 08:02
岡田彰布監督のコメントを求めて今日も番記者が殺到する。楽天時代の野村克也監督は、チームが勝っても負けても話題を振りまいたが、岡田監督のボヤキもその域に達するのだろうか
バルディリスの打球がセカンド本多の脇を抜けた瞬間、オリックスのサヨナラ勝ちと今季4度目の5連勝が決定した。
9月20日のソフトバンク戦。満面の笑みで選手たちを出迎えた岡田監督は、試合後のコメントも上機嫌だった。
「バルならなんとかするやろなと思っていた。今日の勝ち投手は中山や。4月なら9回まで投げさせていたけど9月やからな」
強い。今、球界で一番強いのはオリックスなんじゃないだろうかと思わずにはいられない、ここ最近の充実した内容。15日からの5連勝は1点差勝利が4試合。勝利の方程式と呼ばれる平野、岸田は13日からの7試合すべてに、責任投手かセーブがつくという入れ食い状態。先発投手も金子、寺原、中山とコマが揃い、打線も今季絶不調で二軍落ちも味わったT-岡田が復調の兆しを見せ始めると、からっきしだった李スンヨプもここにきて覚醒。後藤、バルディリスなども、勝負強く試合を決める一打を放つなど、とにかくまぁ強さが目立っている。
大どんでん返しの“どんでん”野球で今日もファンはハラハラ。
1週間前には4位に転落したチームは、気がつけば4位に3.5ゲーム差をつけての3位。この勢いならば2位日本ハムを捕えることも不可能ではない……のだが、そうやすやすとファンを調子に乗らせてくれないのが今季のオリックス。
「勢いに乗っているときは恐ろしいほど強いけど、一度調子が落ちはじめたら勝てる気配すらしなくなる。今も連勝はしているけど、次ひとつ負けたらどんだけ連敗するんだって、そればかり心配しています」(関東在住のオリックスファン)
今季、交流戦で7連勝したオリックスはその後に7連敗。
8月の2週目に6連勝すると、3週目から7連敗。
さらにその後9連勝、3連敗を挟んで現在の5連勝と、大型連勝と連敗が交互にやってくる、大どんでん返しの“どんでん”野球。強いんだか弱いんだか、わけのわからないチームになっている。
なぜ、こんなことになるのだろうか。
それを考えた時、先日、他球団のある選手がこんなことを言っていたのを思いだした。
「オリックスは岡田監督が厳しすぎて、チーム内の緊張感がハンパじゃないらしいですよ。ちょっとでも失敗したら……」