野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
岡田監督はノムさんを越えるか?
オリックスがボヤキ効果で絶好調。
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2011/09/23 08:02
岡田彰布監督のコメントを求めて今日も番記者が殺到する。楽天時代の野村克也監督は、チームが勝っても負けても話題を振りまいたが、岡田監督のボヤキもその域に達するのだろうか
オリックスは岡田監督の言動が一番おもしろい!
今季のオリックスは面白い。開幕前に試合用ユニフォームが3種類発表されたと思ったら、シーズン中に阪急ブレーブス、近鉄バファローズ、さらに'90年代のオリックスのユニフォーム、“夏の陣”のリベンジレッドの特別ユニフォームと、金持ちの家の着せ替え人形並みに豊富な種類のユニフォームを披露している。強い時、弱い時の試合内容も含め、外見から中身まで目まぐるしく変化するその様は、まるで別のチームじゃないかと思うこともしばしばだ。
ホームゲームでのイベントはやたらと充実しているし、本拠地京セラドームでのスタメン発表の演出も凝りに凝っている。さらに今季からマスコットに就任したかわいいかわいい「バファローベル」が愛らしい笑顔を振りまいていると思ったら、その横で険しい顔した岡田監督の、苦虫を噛み潰したシブい顔。
そう、今季のオリックスは、岡田監督の動向が一番おもしろい。
調子が悪ければ主力だろうが若手だろうが助っ人だろうが、どんどんどんどん二軍に叩き落とす。7月の選手応援イベント試合「T-岡田カーニバル」では、(前日にミスを犯したこともあるが)主役であるはずのT‐岡田でさえスタメン落ちさせるなど、不謹慎ながら笑ってしまうほどシビアな采配でここまでのペナントを乗り切って来た。
日本球界の名物になりつつある岡田監督のボヤキとは?
特筆すべきは、最近一部で注目され始めた岡田監督の試合後のコメントである。
勝った時には選手を褒め讃えるが、負けた時にはヤケのヤンパチとも取れるキツイ言葉のオンパレード。その独特の物言いは、楽天・野村克也元監督のボヤキとは異なる新名物となりつつある。
「わかっていることを言われると頭に来るのは当たり前なんだけど、選手の頭の中に、もう、ずっと残るようなコメントも必要かなという時期もありますよ。選手の次の日の反応は見るけどね。あの言葉がどれくらい応えているのか」
今季前半戦、フジテレビの「すぽると!」が岡田監督に試合後のコメントについて聞いたときの答えがこれである。
試合後の辛辣すぎるコメントを、岡田監督が選手を意識して発しているとなれば、今のベンチにあるという異常な緊張感も納得できる。もしかしたら今季の大型連勝・連敗と岡田監督の試合後コメントにも何らかの関連性があるのではないか。そんな仮説の下に岡田監督の今季の名ボヤキと、その後の成績を調べてみた。