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強気と弱気が如実に現れた、
パ・リーグのドラフトを総括する。 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph bySPORTS NIPPON

posted2009/11/22 08:00

強気と弱気が如実に現れた、パ・リーグのドラフトを総括する。<Number Web> photograph by SPORTS NIPPON

日本ハムのドラフト1位指名あいさつの際、梨田監督が指名記載用紙に書いたメッセージとダルビッシュの本を手にする春日部共栄・中村勝投手

50点狙いで100点を捨てたロッテとオリックス。

 楽天、ロッテ、オリックスの指名に物足りなさを覚えたが、この中では楽天だけが菊池を1位入札しているので、チームを大きくしようという意欲は感じることができた。

 1位戸村健次(立大)、4位高堀和也(三菱自動車岡崎)の両右腕は大学、社会人出身と言っても即戦力より将来性に針が振れる未完の大器だけに、目先の利益に汲々としている印象がない。さらに2位西田哲朗(関大一・遊撃手)、3位小関翔太(東筑紫学園・捕手)は育成が難しい高校生にして右投右打の野手。スカウトの意欲はこういうところでも感じることができた。

 ロッテとオリックスは菊池の1位入札が予想されていたが、蓋をあけてみればロッテが荻野貴司(トヨタ自動車・外野手)、オリックスが古川秀一(日本文理大・投手)と、競合を避けた1位入札になった。仮に菊池を1位入札して抽選で外しても、外れ1位で荻野と古川は単独入札で獲得できたと思う。競合しても2球団がせいぜいだろう。それすら恐れて菊池の獲得に向かわなかったのだから、気持ちの部分で他球団に遅れを取ったと言われても仕方ないだろう。

 ロッテは4位清田育宏(NTT東日本・外野手)が荻野と同じ右投右打の外野手で、そこに引っかかりを感じた清田が入団に迷いを見せていることを思えば、いい指名とは言えない。

 オリックスは1位古川、3位山田修義(敦賀気比)、4位前田祐二(BCリーグ福井)、5位阿南徹(日本通運)と、5人中4人の左腕投手を指名しているところが既に弱気である。日本史のテストのとき、710年と794年の両方の答えに「平安京」と書き入れれば50点は取れるが100点は取れない。そういう勇気のない指名をオリックスはしたし、ロッテの荻野、清田指名も同じ意味で腰が引けていた。

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