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「日本代表は本当にやりづらい」オランダ代表(トッテナムCB)なぜW杯同組日本を“難敵”評価するのか…「シンジ・オノが忘れられない」オランダ人記者も危機感 

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田嶋コウスケ

田嶋コウスケKosuke Tajima

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posted2025/12/11 18:40

「日本代表は本当にやりづらい」オランダ代表(トッテナムCB)なぜW杯同組日本を“難敵”評価するのか…「シンジ・オノが忘れられない」オランダ人記者も危機感<Number Web> photograph by Getty Images

写真はトッテナムMFシャビ・シモンズ。筆者はW杯の組み合わせ抽選会のあと、オランダ代表の選手たちに話を聞いた

 ここからドイツのライプチヒで2シーズンを過ごした後、今夏の移籍市場でトッテナムに籍を移した。移籍金は5150万ポンド(約107億円)。強豪チェルシーとの争奪戦の末、トッテナムへの入団が決まった。スパーズでは、昨季まで主将を務めたソン・フンミンの「背番号7」を受け継いだ。

 今回のブレントフォード戦で主役となったのは、トップ下で先発したこのシモンズだった。味方からスルーパスが入ると、シモンズは自慢のスピードを生かしてDFラインの背後にフリーラン。ダイレクトでゴール前にクロスを入れ、FWリシャルリソンの先制点をお膳立てした。

 圧巻だったのは、シモンズのゴール場面だ。自陣で一度ボールを失ったが、力強くボールを奪い返してドリブルを開始。センターラインからPA内までドリブルで突っ走り、右足でゴール左隅にきれいに流し込んだ。ドリブルの途中、相手選手2人が腕を使って捕まえようとしたが、シモンズは強引に振り切り、そのままネットを揺らした。マーカーの寄せが激しいプレミアリーグへの適応が課題とされていたシモンズだが、この力強いゴールで「適応完了」の印象を強烈に残した。

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 試合後、ランゲンドルフ記者に「シモンズに話を聞きたいんだが……」と相談したところ、「いや、難しいと思う。メディアと距離を置いている選手。クラブやリーグといった公式サイトのインタビューは受けるが、トッテナムでもジャーナリストの取材に一度も応じていないんだ。オランダ代表でもほぼ取材を受けていない」と言う。

 1ゴール、1アシストの大活躍で、英人記者もシモンズから話を聞きたがっていた。そこに、22歳のオランダ代表アタッカーが現れた。英人記者が「シャビ、少しだけ……」と懇願したが、シモンズは応じることなく素通り。筆者はついていき、「シャビ、ごめんなさい。昨日のW杯ドローについてだけ聞かせてください」とお願いしたが、「急いでいるんだ」と言って通り過ぎていった。

 だが、シモンズにはこんな一面もある。今回のゴール後、トレードマークである「電話セレブレーション」をトッテナムで初めて披露した。左手で電話をかけ、右手を頭の上にかざす独特なセレブレーションだ。PSG在籍時代、兄弟と電話を話していた際にこのセレブレーションを思いついたという。「常に自分を支えてくれる兄弟や家族を思ってこのポーズをしている」と、本人は明かしている。シモンズには、そんな家族思いの一面がある。

 冒頭にコメントを記したファンデフェンに、こんな質問もぶつけてみた。

「トッテナムには日本代表DFの高井幸大選手が在籍しています。W杯の組み合わせ結果について、幸大と何か話しましたか」と。ファンデフェンは笑顔を見せ、「いやぁ、幸大は今日の試合でメンバーに入っていなかったから、まだ会えていないんだ。明日にでも話してみるよ」と答えた。

 実際、ファンデフェンと高井はどんな会話を交わしたのか。次回の取材の際に、ぜひ聞いてみたい。

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