「ミトマは“復帰間近”のはずが…」欠場1カ月半の真相…現地記者が見たブライトン三笘薫（28歳）ケガの裏側「じつは日本代表コーチが視察に来ていた」

　ブライトンの三笘薫が、公式戦6試合連続で欠場した。

　三笘は、9月27日に行われたチェルシー戦で先発出場。だが左足に痛みを抱え、後半22分に途中交代となった。後に行われたファビアン・ヒュルツェラー監督の説明によると、三笘の怪我は「左足首の打撲」。チェルシー戦の前から足を痛めていたという。試合中に悪化したのか、前半終了時点で足を引きずる姿も見られた。

　そして試合後──。三笘は左足のスパイクを脱いだ状態でピッチに入り、やはり足を引きずりながらサポーターに挨拶した。チームは3−1で勝利したものの、ミックスゾーンで取材に応じることなく、無言でチームバスに乗り込んだ。

三笘薫が最後に出場した9月27日のチェルシー戦。競り合いで高くジャンプするシーンも。試合中、左足に違和感があったようだ　©AFLO

「ミトマの復帰は近い」→「欠場」というパターン

ADVERTISEMENT

　あれから約1カ月半が経過したが、依然として実戦復帰は果たせていない。

　ヒュルツェラー監督は試合前の会見のたびに「三笘の復帰は近い」と繰り返してきた。しかし実際は、「欠場」という結果が続いている。

　さすがに1カ月以上が経過すると、本当に復帰が近いのか疑問を抱く人も少なくないだろう。地元紙『アーガス』のブライアン・オーウェン記者も、「正直なところ、実際の状況はよくわからない」と話す。

　理由のひとつが、まず近年の記者会見の傾向にある。指揮官はチームの中心選手に関する怪我の情報を、事前に明かしたがらない傾向があるのだ。

　例えば、三笘のようなエースの欠場が事前にわかっていれば、対戦相手の監督は対策を練りやすくなる。アーセナルのミケル・アルテタ監督も同様で、中心選手になればなるほど、指揮官が復帰時期をあいまいにするケースは珍しくない。

じつは名波コーチが視察にきていた

　もうひとつ考えられるのは、監督の言葉通り、復帰のタイミングを慎重に見定めているという可能性だ。

　11月の日本代表シリーズの直前に行われたクリスタル・パレス戦で、指揮官は「三笘の復帰は50％−50％」と語った。会見が行われたのは試合の3日前。会見後の2日間で見極めるつもりと話したが、結局クリスタル・パレス戦も欠場となった。

【次ページ】　じつは名波コーチが視察にきていた