テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
「イッペイ!」大谷翔平、“敵地大ブーイングとヤジ”を浴びても平然…「美談ではない」佐々木朗希への“時間稼ぎ”はドジャース首脳陣のミス
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byHunter Martin/Getty Images
posted2025/10/19 11:01
熱狂的なフィリーズファンから痛烈なヤジを浴びせられた大谷翔平だが、そこで“鬼メンタル”を見せたという
「それが自分の色であり、自分の強み。チームにとってプラスになるのであれば、自分にしかできない役割だと思う。それをこなしていくのが今の仕事」
いつも大谷を追いかけている日本メディアからは、シーズンオフでもない限り出てこない質問だ。そして、大谷の答えは改めて感服するもので、どこか新鮮だった。5打席目の“時間稼ぎ”については「最後はウィル(スミス)のアットバット(打席)くらいで朗希がつくり始めていたので、監督から時間を稼いでほしいというオーダーが出ていました。そういう意味ではいいフォアボールになったのかなと思う。良かったのかなと思います」と話した。
大ブーイングについても、笑って話していた
フィラデルフィアの大ブーイングには、こう話して笑っていた。
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「試合前はいろいろデータ整理している段階とかでは、ちょっと試合の中をイメージして緊張感はありました。実際に試合で投げることに関しては、集中して。緊張感はありましたけど、それより集中して試合に入っていけたかなと思います」
球場で、ブルペンに実際に近寄って同じ雰囲気を感じた者としては、信じられない思いだった。
試合中のスタンドはドジャースに安打や好プレーが出ると、ピタリと静まり返るため、インプレーなのかさえ分かりづらい異様な状況だった。大谷番12年目になるが、“大谷史上最もアウェーな雰囲気”でのプレーだったかもしれない。この完全アウェーでの1勝はとてつもなく大きかった。〈つづく〉

