テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER

「イッペイ!」大谷翔平、“敵地大ブーイングとヤジ”を浴びても平然…「美談ではない」佐々木朗希への“時間稼ぎ”はドジャース首脳陣のミス 

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柳原直之(スポーツニッポン)

柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara

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photograph byHunter Martin/Getty Images

posted2025/10/19 11:01

「イッペイ!」大谷翔平、“敵地大ブーイングとヤジ”を浴びても平然…「美談ではない」佐々木朗希への“時間稼ぎ”はドジャース首脳陣のミス<Number Web> photograph by Hunter Martin/Getty Images

熱狂的なフィリーズファンから痛烈なヤジを浴びせられた大谷翔平だが、そこで“鬼メンタル”を見せたという

 失点した2回以外の5イニングは1安打のみで6回3失点。シュワーバーから2三振など、計9三振を奪った。うち4つの決め球がカーブで、最速101.4マイル(約163.2キロ)。89球を投げ終えた直後の2−3の7回、テオスカー・ヘルナンデスが逆転3ランを放つと、ベンチの手すりに足をかけて歓喜の雄叫びを上げた。

 打席では4打数無安打に終わったが、9回の第5打席は新守護神・佐々木朗希をサポートする献身的な四球を選んだ。

 先頭のアンディ・パヘスが三振。するとベンチが慌ただしく動き出した。最終回の投手起用について、デーブ・ロバーツ監督は「相手は(野手を使い切って左打者の)ケプラーに代打を出せない状況。ベシア続投でトライネンを後に控えさせるか考えていた」という。最終的に佐々木投入を決断したが、ブルペンへの電話は2人目のスミスの初球、見逃しストライクの後と遅れた。

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 電話を受けた佐々木はピッチコムの器具を帽子に取り付けるのに手こずり、投球練習開始まで時間を要した。スミスは三球三振。電話から約40秒後、2死走者なしで打席に入ったのは大谷だった。

朗希のための“3分5秒”だが、美談にしていいのか

 ゆっくりと打席に向かい、初球にバントの構え。サイン違いなのかボールが球審の胸に直撃し、2球目まで間が空いた。2球目のボールの後は一度、打席に入るようにしてからタイムを要求。2球目の後から3球目の見逃しストライクまで、約50秒を稼いだ。

 結局、1球もスイングせず、カウント3−1から四球。打席に入ってから一塁到達まで、3分5秒の時間を生み出した。

 大谷の献身もあり、佐々木には電話を受けてからマウンドに向かうまでに4分55秒の猶予ができた。佐々木は1死から安打を許したが無失点で締め、日米通じて初セーブ。大きなチームプレーだったが、結果的に佐々木と大谷に“負担”をかけた首脳陣の判断の遅れは決して美談にしてはいけない、とも感じる一幕だった。

“時間稼ぎ”について聞かれた大谷は…

 試合後会見でのこと。投打でフル回転したユニホームからベージュのブルゾン姿に着替えた大谷に、米メディアから飛んだ質問は、フィラデルフィアの雰囲気に関するものはあっても、試合に関するものは極端に少なかった。大谷は取材対応が限られるため、東海岸ではこういったケースが多く、スポーツイラストレーテッド誌の記者は「二刀流を継続することは難しい。なぜ続けるのか?」と質問した。

 すると、大谷はこう答えた。

【次ページ】 大ブーイングについても、笑って話していた

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