テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
「佐々木朗希がはしゃいでシャンパンを」大谷翔平の番記者が見たドジャースPS舞台裏「今日はショウヘイの奥さんとデコイが」銀髪ロハスは照れ笑い
text by

柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byJIJI PRESS
posted2025/10/08 11:03
ドジャース佐々木朗希はポストシーズンで圧巻のクローザーぶりを見せている
開始7、8分ほどで報道陣も入室が許可されたが、大谷は同僚やスタッフと喜びを分かち合い、早めに切り上げて帰路に就いた。
私は佐々木の囲み取材も同時に狙っていたため、大谷の後ろ姿しか確認できなかった。ただ、佐々木が嬉しそうにはしゃいだり、チームメイトからビールやシャンパンを掛けられている光景を見て嬉しくなった。地区優勝時にはなかった光景だからだ。ちなみに、私はずぶ濡れ対策のレインコートをホテルに忘れてくるという“失態”を犯し、着用していたシャツはずぶ濡れに。前回同様、床にもビニールが敷かれていたため、ビールやシャンパンの“水たまり”があちこちにでき、履いていたスニーカーもずぶ濡れになってしまった。
編成本部長が“先発・大谷の制限解除”を明言
ほぼ同時並行で行われた試合後の会見で、デーブ・ロバーツ監督は「翔平が地区シリーズ第1戦に先発する」と明言した。WCSが1勝1敗で第3戦に突入した場合の先発に備えていて“スライド”する形で先陣に回ることが正式に決まった。WSを制した昨季は右肘手術明けで打者に専念。4日のフィリーズとの初戦がPS初登板、そして初の二刀流出場になる。
ADVERTISEMENT
6月中旬に投手復帰し、レギュラーシーズンは最終登板の9月23日のダイヤモンドバックス戦での6回が最長。シャンパンファイト後に囲み取材に応じたアンドリュー・フリードマン編成本部長は「少しずつ慎重に使ってきたが、今はもう“普通の先発投手”だと思っている」と制限解除を明言した。2勝2敗でもつれれば、中6日で第5戦の先発を任されるとみられる。大谷と1本差で本塁打王に輝いたカイル・シュワーバーやMVP2度の主砲ブライス・ハーパーら強力打線に投打で対抗する。
地区2連覇でPS4年連続出場のフィリーズとの今季対戦成績は2勝4敗。ドジャースタジアムと同様に熱狂的な敵地シチズンズバンク・パークで迎える初戦に向けてロバーツ監督は「楽しい環境になるだろう。非常にいいマッチアップになると思う」とニヤリと笑った。自信の根拠は二刀流の存在か。大事な初戦は大谷に託された。〈つづく〉

