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《ブルージェイズと94億円契約》巨人・岡本和真を育てた名伯楽が語る“指導の原点”「どんなにすごい選手でも、天狗にさせてしまうと…」
posted2026/01/06 06:03
ブルージェイズと4年総額94億円の契約で合意したとされる巨人の岡本和真。智弁学園時代に指導した名伯楽が語る「指導のポイント」とは?
text by

田口元義Genki Taguchi
photograph by
JIJI PRESS
お前にはまだ早い。
認めたくはないが、認めざるを得ない。智辯学園の小坂将商は、悔しさと潔さを混在させたようなトーンで「ってことです」と、あの夏を短く振り返った。
「最強チーム」でも届かなかった日本一
2021年。小坂が率いた智辯学園には、西村王雅に小畠一心とエース格の左右両輪がおり、前川右京を軸とした打線も強力だった。センバツは初戦で大阪桐蔭を撃破するなどベスト8で、夏の甲子園でも優勝候補の一角に挙げられるほどの大型チームだった。
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その智辯学園でも、優勝には届かなかった。
まだ早かった壁。小坂にとって、それはふたつあった。ひとつは未到達の夏の日本一。もうひとつが「和歌山超え」である。智辯学園が敗れた相手は兄弟校の智辯和歌山だった。甲子園では02年の夏に初対決が実現したが敗北を喫しており、この年はそのリベンジの場でもあった。しかも、頂上決戦ともなればなおさらである。だからこそ勝ちたかったし、敗れてなお渇望する自分にも気づけた。
小坂の野球人生において、智辯和歌山という存在は満たすべき渇きの対象でもある。
和歌山出身の小坂は、高校進学の第1志望が智辯和歌山だった。しかし、望みは叶わず奈良の智辯学園に進んだ経緯があった。
「和歌山を落ちて奈良に拾ってもらったんで、『奈良を強くしたい』ってハングリー精神でやってきて、今もそれを曲げることなく。和歌山よりも上に行くことは難しいですけど、『超えたい』という想いはずっとあります」
小坂は智辯学園でキャプテンとなり4番バッターも務めた。3年生の1995年には、夏は初となるベスト4進出を果たしている。
高校時代の経歴からも見えるように、小坂はいわゆる野球エリートだ。法政大でもキャプテンを務め、社会人では強豪と呼ばれていたパナソニックでプレーした。

