テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
「佐々木朗希がはしゃいでシャンパンを」大谷翔平の番記者が見たドジャースPS舞台裏「今日はショウヘイの奥さんとデコイが」銀髪ロハスは照れ笑い
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byJIJI PRESS
posted2025/10/08 11:03
ドジャース佐々木朗希はポストシーズンで圧巻のクローザーぶりを見せている
チーム内だけでなく日米メディアからも紳士的な姿勢が高い評価を受け、今年から制定された全米野球記者協会ロサンゼルス・アナハイム支部の「メディアグッドガイアワード」を受賞した。この日は6回から二塁で途中出場し、7回に右前打を放つなど“いぶし銀”の働きがチームに欠かせない。頂点まであと12勝。大谷と銀髪のロハスによる新ポーズが何度も出れば、頂点が近づいてくる。
大谷の「カモン!」と朗希の仁王立ち
翌1日の第2戦も、PS初の1試合2発だった初戦に続いて存在感を示した。3-2の6回1死一、三塁から元日本ハム、ソフトバンクの右腕ニック・マルティネスのチェンジアップを右前適時打。一塁ベース上では「カモン!」とばかりに両手を振り上げナインを鼓舞し、一挙4得点を呼んだ。
先発の山本由伸も7回2死で交代するまでメジャー自己最多113球で9三振を奪って2失点(自責点0)と好投したが、この日の主役は佐々木朗希だった。8-4の9回。ブルペンを出た佐々木は大観衆5万465人の地鳴りのような大歓声に出迎えられ、高ぶる感情を投球に込めた。直球とスプリットの2球種だけで打者3人斬り。地区シリーズ進出を決めたマウンドに仁王立ちした。
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スペンサー・スティアへの初球。左足を胸の位置まで高く上げる躍動感あるフォームからメジャー自己最速の100.7マイル(約162キロ)を投げ込んだ。ファウルを取った101.1マイル(約162.7キロ)で追い込み、落差の大きい宝刀スプリットで空振りを奪った。続くラックスもスプリットで空振り三振。4番のA・ヘイズの2球目には最速101.4マイル(約163.2キロ)まで上げ、7球を数えた直球は全て160キロを超えた。
シャンパンファイトで朗希が嬉しそうに…
試合後、グラウンドで地元中継局のインタビューに応じた佐々木は「初めて9回を投げて緊張はしたけど、球場(の声援)に後押しされながら投げることができた。どんどんストライクゾーンに投げ込むことを意識した。びびるみたいな感覚はなかった」と答えた。“びびるみたいな感覚はなかった”という表現は、佐々木の心境を素直に表していて聞いていて心地よかった。
地区優勝時に続く今季2度目のシャンパンファイト。本拠地ドジャースタジアムの打撃ケージ内で開かれた。通常ならロッカールーム内だが、ドジャースは昨オフに1億ドル(約147億円)をかけて改修。電子機器が多いことなども考慮して、トレーニングルームなどに隣接する打撃ケージにシートを張り巡らし、歓喜の泡に沸いた。

