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大学野球PRESSBACK NUMBER
「なんであんなに足を上げて打てるの?」立教大の三冠王・山形球道は偉業バネにプロ目指す「武器は沖縄・興南高で培った観察力」「理想は近藤健介さん」
text by

内田勝治Katsuharu Uchida
photograph bySt. Paul's University Baseball Club
posted2025/09/19 11:03
特徴的な一本足打法で春季リーグ三冠王を獲得した、立教大の山形球道。秋季リーグでさらに力を見せてプロを引き寄せられるか
「理想は近藤健介さん」
そして迎えた慶応大との開幕カード。エースの外丸東眞(4年)から1回戦、3回戦の2試合で3安打を放ったことで、「今までの自分とは違う」と手応えをつかんだという。法政大との2回戦では満塁本塁打を含む2発3安打6打点。早稲田大との3回戦では注目右腕の伊藤樹(4年)から3ランを放つなど4安打5打点と、13試合で24安打を積み重ね、打率.444、5本塁打、17打点と堂々たる成績で三冠王に輝き、侍ジャパン大学日本代表にも初選出された。
「近藤健介さん(ソフトバンク)のようにアベレージも残せて本塁打も打てる中距離打者が自分の理想です。この4年間でパワーもついてきて、無理に狙わなくても本塁打が打てるということが自信になりました」
首位打者のブロンズ像を手にした閉会式の後、プロで数々の名打者を指導してきた早稲田大の金森栄治コーチから笑顔で声をかけられた。
「なんであんなに足を上げて打てるの? あれだけ足を上げて待たれたらピッチャーは気持ち悪いよ」
プロへの扉を開けるか
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今秋のラストシーズン。他の五大学の投手はあらゆる手を使い、独特な一本足打法のタイミングを崩しにかかるだろう。ただ、しっかりとアジャストできるだけの練習量を積んできた。その自負があるからこそ、開幕前の9月9日にプロ志望届を提出した。
「今夏のオープン戦でプロの投手と対戦する中で、その舞台でやりたいという気持ちが強くなりました。自分としてはプロでやっていく自信がついたので、あとはリーグ戦でどれだけ結果が残せるか。打率3割5分、3本塁打は確実に超えて、アピールしていきたいと思っています」
名は体を表す。山形はただ一筋に球道を突き進み、プロへの扉をこじ開ける。
〈全2回の2回目/はじめから読む〉


