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「なんであんなに足を上げて打てるの?」立教大の三冠王・山形球道は偉業バネにプロ目指す「武器は沖縄・興南高で培った観察力」「理想は近藤健介さん」 

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内田勝治

内田勝治Katsuharu Uchida

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photograph bySt. Paul's University Baseball Club

posted2025/09/19 11:03

「なんであんなに足を上げて打てるの?」立教大の三冠王・山形球道は偉業バネにプロ目指す「武器は沖縄・興南高で培った観察力」「理想は近藤健介さん」<Number Web> photograph by St. Paul's University Baseball Club

特徴的な一本足打法で春季リーグ三冠王を獲得した、立教大の山形球道。秋季リーグでさらに力を見せてプロを引き寄せられるか

甲子園の夢はかなわなかったが……

 ただ、一般推薦で入学したことに加え、中3冬に発症した右肘の離断性骨軟骨炎の完治が長引き、さらに腰椎分離症とケガが続き、なかなか野球でアピールすることができなかった。チャンスが訪れたのは、1年も終わりに差し掛かった頃に行われたシート打撃。バットの真芯で捉えたショートライナーの後に、レフト前へ安打を放つことができた。

「興南は部員数が多くて、なかなかAチームの試合に出られるチャンスは少ないのですが、その打席を監督さんがたまたま見られていて『明日の練習試合、5番で使う』とおっしゃっていただきました。そこで初めて認識してもらったことが本当にうれしかったです」

 アピールには成功したが、同時期に新型コロナウイルスの感染が拡大する。センバツに加え、各都道府県の春季大会が中止になる中で、沖縄県のみが唯一開催(準々決勝終了後に中止)されたが、3回戦敗退。夏の甲子園も中止となる異例の事態となった。

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 新チームからは、今秋のドラフト候補に挙がる最速154キロ左腕の山城京平(亜大)とともに投打の軸としてチームを引っ張り、3年春の沖縄大会で優勝し、九州大会4強まで進出。ただ、同年夏は準々決勝で敗退し、沖縄から甲子園に出場する夢は叶わなかった。

立教大への進学

 気持ちを切り替え、指定校推薦で父・純一さんの母校である立教大への進学が決定。セレクションを経て、父も在籍した野球部への入部を許可された。

「父は僕が立教大に進むことになって多分嬉しかったと思います。セレクションがいつあるとか、秋のリーグ戦は観に行った方がいいなど、大学のことよりも野球部のことを多くアドバイスされました」

 立教大は2008年度からアスリート選抜入試を導入した影響で、近年は甲子園の常連校から有名選手が入学してくる。部員も一学年40人ほど在籍し、山形の入学時はDチームまであった。それでも、3週間ほどの新入生トレーニングを経て、いきなりBチームに振り分けられるなど、一般推薦組の中でも期待をかけられていた。

【次ページ】 プロ入りした篠木健太郎から一発

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