大谷翔平の舞台裏:ドジャース異聞BACK NUMBER
ドジャース“まさか6連敗”を生んだ敵将の本音…ブルワーズと成績比較して分かった「ドジャース野球の課題」とは? ワールドシリーズ連覇へ大きなライバル
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斎藤庸裕Nobuhiro Saito
photograph byNanae Suzuki
posted2025/08/18 11:02
ドジャースに今季6連勝したブルワーズのパット・マーフィー監督
監督の6歳息子「オオタニが大好きなんだ」
余談だが、マーフィー監督は3男1女の父親でもある。次男はよく、大谷のユニホームを着ているという。また、三男のジャクソン君はまだ6歳。「彼もオオタニが大好きなんだ。試合を終えて(ブルワーズが)勝ったか負けたかを知りたい訳ではなく、オオタニがどうだったのかを知りたいみたい」と明かし、囲み取材の場を和ませた。
ユーモアたっぷりの一面も見せつつ、野球となれば厳しさがあった。同監督が求める、1球1球への集中力を鍛えるためには、どんなことをしているのか。
「このレベルに来る選手は、すでにその力を持っている必要がある。教える段階ではない。左右を見れば、全員がやっている。それがチームの標準なんだ。それくらいの強さでプレーしなければならないし、そうでなければ居場所はない。理解できる選手は残り、理解できない選手は、去ってもらう」
「うちには経験豊富なスター選手たちはいない」
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愚問だった。そして、同監督は続けた。
「うちには経験豊富なスター選手たちはいない。若くて堅実な選手たちがいて、リーダーのイエリチが、模範となっている。そういう正しい、リーダー格の選手がいれば、若い選手はハングリーになる。満腹の状態ではハングリーでいるのは難しい」
ドジャースのように、スター選手ぞろいではない。経験と実績があるのは18年にMVPに輝いたクリスチャン・イエリチ外野手(33)のみ。逆にそれが、若手の競争力を生んでいる。7月中旬に11連勝、8月上旬から中旬にかけて12連勝をマークした。ワールドシリーズ連覇を目指すドジャースに、まずは同じナ・リーグで立ちはだかる強豪ブルワーズ。強さの理由は“ウッドペッカー野球”にある。

