大谷翔平の舞台裏:ドジャース異聞BACK NUMBER

ドジャース“まさか6連敗”を生んだ敵将の本音…ブルワーズと成績比較して分かった「ドジャース野球の課題」とは? ワールドシリーズ連覇へ大きなライバル 

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斎藤庸裕

斎藤庸裕Nobuhiro Saito

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photograph byNanae Suzuki

posted2025/08/18 11:02

ドジャース“まさか6連敗”を生んだ敵将の本音…ブルワーズと成績比較して分かった「ドジャース野球の課題」とは? ワールドシリーズ連覇へ大きなライバル<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

ドジャースに今季6連勝したブルワーズのパット・マーフィー監督

ブルワーズと比較…ドジャースの“らしくない成績”

 戦う上での意識の心得を話し始めると、ある動物の動きに例えた。「ウッドペッカーって日本語ではなんて言うんだ。(キツツキ?)それは僕には難しくて言えないな」と笑いながら、意味を説明した。

「ウッドペッカー(キツツキ)のように、集中してプレーし続けること。結果が悪くても切り替えて、次の投球に備える。その絶え間ないプレッシャーが大事なんだ。足が速ければ走る、守備が得意なら、全てのプレーに備える。投手なら狙った所に投げる。その継続だと私は思う」

 チーム全体で、その意識を徹底している。9番打者で打率こそ低いが、ホセ・オーティズ内野手(27)は、ドジャース戦6試合で好プレーを連発。内野安打になりそうな当たりを何度もアウトにした。

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 一方で、ドジャースはムーキー・ベッツ内野手(32)、トミー・エドマン内野手(30)、ウィル・スミス捕手(30)の送球ミスなど、主力が直接的に失点につながる、らしくない戦いとなってしまっていた。

 数字でも、その差は歴然だった。対戦した6試合でブルワーズのチーム防御率は2.45で、1失策。一方のドジャースは防御率4.30で5失策だった。攻撃面では、チーム本塁打数は両軍ともに6本だが、ブルワーズはチーム打率2割7分4厘、6盗塁と足を絡めたのに対し、ドジャースはチーム打率1割9分3厘でわずか1盗塁だった。

ドジャース投手陣を攻略できた理由

 マーフィー監督の言う集中力は、「2死からの打点」にも表れていた。ブルワーズは6試合で10度。一方のドジャースは3度だった。追い込まれても、切り替えて、準備する。その繰り返しが、結果につながっていた。7月20日の6試合目は、11安打のうち10安打がシングルヒット。力強い引っ張りの打球もあれば、状況に応じてセンター返しや右打ちを徹底する。同監督の言葉を借りれば、ドジャース投手陣をキツツキのように突いてくる。四球を絡め、確実に点を取りにいく攻撃だった。

【次ページ】 監督の6歳息子「オオタニが大好きなんだ」

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