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「娘をプールに入れたいので早く帰らせて(笑)」大谷翔平が本音で語った“ささやかな幸せ”「デコは娘と一緒にベッドで…」<特別インタビュー>
posted2025/08/13 11:08
Number最新号の単独インタビューに応じた大谷翔平。後編では「今のささやかな幸せ」について明かした
text by

石田雄太Yuta Ishida
photograph by
Nanae Suzuki
発売中のNumber1125号に掲載の[単独インタビュー]大谷翔平「僕が打てないボールを投げる」より内容を一部抜粋してお届けします。<全2回の後編/前編から続く>
大谷翔平は今「何と戦っているのか」
――メジャーに来てからも、投打の力を認めさせないと次がないとか、両方で結果を出さないとこの先は二刀流ができないかもしれないとか、何かしらと戦ってきたと思いますが、そんな大谷さんは今、何と戦っている感覚なんですか。
「何と戦っている……何なんでしょうね。まあ、山で言えばもう頂上付近に来ているとは思うので、下りのことを考えなければいけない、ということと戦っているのかな。30(歳)過ぎたら、どうやって散っていくのかって」
――散っていく? 下りるんじゃなくて、散るんですか?
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「どうやって自分が最後、散っていくのかを考えなきゃいけないと思っています。そこは20代前半のときとは違いますね。若いときには自分がどうなっていくんだろうという楽しみしかなかったし、どういう頂上を迎えるんだろうという楽しみばっかりでしたから、そこは違いますよ」
――でも、頂上に立ったときの大谷さんの姿は、今でも楽しみでしょう。自分がどこまで登れるのか。
「うん、まだてっぺんだとはもちろん思っていませんし、最高“点”がどこなのかというのは楽しみではあります」
――それって、その瞬間に実感できるものではないですよね。
「そうですね……あとから振り返って、その瞬間というのはあのときだったんだなって、思うのかもしれませんね」
「死ぬまで頂上でいられれば最高ですよ」
――大谷さんは、何ができたらてっぺんだと思うんでしょう。
「どうなんでしょう……それはまだわかんないです。僕自身の感覚だとは思いますけど、振り返ってあのときが一番良かったなと思うもので、『今、この瞬間、オレは最高潮だ』と思える人はいないんじゃないかな。そういう感じで野球人生は終わっていくんだろうなと思っています」
――改めて訊きますが、頂上に登ったあと、“下りる”ではなく“散る”という言葉を使ったのはなぜですか。

