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「簡単でないことはわかっています」カーリング吉田知那美(34歳)が語る“4度目の五輪挑戦”「4年に一度注目してもらえるって、とんでもなくポジティブ」 

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竹田聡一郎

竹田聡一郎Soichiro Takeda

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posted2025/08/23 11:00

「簡単でないことはわかっています」カーリング吉田知那美(34歳)が語る“4度目の五輪挑戦”「4年に一度注目してもらえるって、とんでもなくポジティブ」<Number Web> photograph by Soichiro Takeda

カーリングで五輪2大会連続メダルを獲得したロコ・ソラーレの吉田知那美(34歳)が4度目の五輪挑戦について語った

 しかし、本人は「そんなの分からない」と笑い飛ばす。「五輪は素晴らしい場所だけれど、そこに辿り着くまでの勝敗はコントロールできない。だからこそロコ・ソラーレ史上で最高に楽しいカーリングをしたい」と語るにとどまった。

「簡単ではないことはわかっています」

 チームは9月に稚内で行われる五輪代表候補決定戦に向けての最終調整、北海道ツアーに参加中だ。稚内みどりチャレンジカップで全勝優勝。札幌でのどうぎんカーリングクラシックは3位。現在、ホームリンクのアドヴィックス常呂カーリングホールで開催中のアドヴィックスカップに出場し、ベスト4進出を決めた。

 強化と調整は順調だが、まず9月にSC軽井沢クラブ、フォルティウスとの三つ巴を制した上で、日本はまだ五輪の出場枠を得ていないため、日本代表として12月にカナダ・ケロウナでのミラノ・コルティナ五輪最終予選に挑む。

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 ノルウェー、アメリカ、トルコといった油断ならない中堅国に加え、予備予選を勝ち抜くであろうニュージーランドやオーストラリアなどの新興国が加わる混戦を突破しなくてはならない。日本代表決定戦の3分の1、世界最終予選の8分の2。これを勝ち抜いてやっと五輪に届く。険しい道のりだ。「簡単ではないことはわかっています」と本人は神妙に頷く。

「勝って五輪に行く、金メダルが目標。それはすべてのチーム、すべての選手が同じ気持ちだと思っています。だからこそ、覚悟比べで決まる戦いではないと捉えてもいます」

 そして吉田擁するロコ・ソラーレにはイタリアに行く理由が15年前からあったんです、と先日のチームミーティングの内容を明かしてくれた。

「チーム名についての話になったんですが、私は『ロコ』が英語由来なのになんで『ソラーレ』ってイタリア語なの?ってずっと不思議だったんです。いくつか候補がある中で亮二さん(小野寺コーチ)が『ロコ・ソラーレがいい!』って主張して決まったらしいのですが、きっと15年前からイタリアに向かうことを予知していたんだろう、亮二さんすげえ!って。だからイタリアには縁があるって勝手に思い込んでいます」

 4度目の五輪へ。結実、結末、帰結。どんな「結」が彼女を待っているのだろうか。

<続く>

#2に続く
「カーリング選手で大学生で人妻に」4度目の五輪挑戦…吉田知那美(34歳)が明かすカーリングへの思い「流しのコーチっていいかも…押しかけ先生みたいな」

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