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「クレイジーだ! 最悪のジャッジだ」スノボ村瀬心椛の“銅”不可解採点の深層…米レジェンドも憤慨「北京の平野歩夢以来」問題はなぜ起きた?
posted2026/03/03 11:04
スノーボード女子スロープスタイル、金の深田(中央)のランは素晴らしかったが、疑問の残った採点で銅の村瀬(右)は悔しそうな表情も見せた
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矢内由美子Yumiko Yanai
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Nanae Suzuki/JMPA
米国の著名アナリストが憤懣やるかたないといった表情でまくし立てる。大歓声に沸いた観客の表情が一転し、「?」のマークが浮かんでいる。
日本勢が空前のメダルラッシュを演じたミラノ・コルティナ五輪。中でも男女合わせて4個の金を含む9個のメダルを獲得するなど大活躍だったスノーボード競技で、不可解な採点が物議を醸した。村瀬心椛が高難度のジャンプトリックをメイクしたにもかかわらず、銅メダルにとどまった女子スロープスタイルの採点には、世界中で批判が渦巻いた。
試合は日本の19歳、深田茉莉が3本目に87.83点をマークして日本人初の金メダルを手にした。深田の3つのジャンプは「スイッチバックサイド1260(3回転半)」「バックサイド720(2回転)」「フロントサイド720(2回転)」という構成。最初に断っておくが、深田が行ったスイッチバックサイドの3回転半は難度が高いトリックだし、前半のジブセクションで高得点がついていた。初出場のオリンピックでベストの滑りを見せたことは間違いない。
村瀬への採点にかみついたレジェンド解説者
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疑問が呈されているのはその後に滑った村瀬と、ゾイ・サドフスキシノット(ニュージーランド)への採点だ。
村瀬のジャンプは「フロントサイドトリプルコーク1260(3回転半)」「キャブ900(2回転半)」「バックサイド1080(3回転)」。特にトリプルコークを入れた1260は村瀬にしかできない最高難度の大技で、ゴールエリアで力強いガッツポーズを見せた村瀬に観客は大喝采。他国のライバルや深田も村瀬をハグで祝福した。
ところが採点結果は85.80点で、この時点でまさかの2位。前半のジブセクションの点が伸びなかったことが原因だった。さらに村瀬は最終滑走者のサドフスキシノットにも抜かれて銅メダルにとどまった。
この結果にかみついたのが米国NBCのアナリストとして現地取材していたトッド・リチャーズ氏だ。彼はスノーボードが初めて採用された98年長野五輪に米国代表として男子ハーフパイプに出場したレジェンド。日本選手についても非常によく知っている解説者だ。また、普段から歯に衣着せぬコメントをすることでも知られている。


