テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
“テレビに映らない”大谷翔平「投手登板翌日の打率が0割台」愛娘・真美子夫人と野球の「すみ分け」だけでなく…番記者が気になる31歳のいま
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byNaoyuki Yanagihara
posted2025/07/14 11:06

31歳となって初の囲み取材に応じた際の大谷翔平
「年を取ったとは思わないです。あまり変わらないですかね。20代前半と感覚的な違いはないと思う。長いシーズン行う上で後半の方がもちろん疲れはたまると思うので、疲労を抜きながら休みを取るのも大事かなと思います」
全盛期はいつまで続くか分からないが、“20代前半と感覚的な違いはない”と言い切ったことは、驚き以外のなにものでもなかった。かねてから「その日だからこそ書ける原稿を書くように」と上司や先輩記者から口酸っぱく言われてきたが、この日でいえば31歳や誕生日ということになる。
「“人生観を変える出来事”は必ずしも…」
ここで私は日本メディアの4番目の質問者として「体力面では変わっていないということでしたが、31歳を迎えて精神面や考え方には変化があったと思います。その辺りはいかがでしょうか」と質問を投げかけた。
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すると大谷はいったん、目線を下げ、一呼吸置いてから語り始めた。
「それはだいぶ違うのかなと思います。家庭を持って子供が生まれればまた変わりますし。グラウンド外もグラウンドでもそうで、“人生観を変えるようなこと”は必ずしもプラスな部分だけではないですけど、自分を成長させてくれると思う。何事も経験かなと思います」
続く5番目の質問者は、こう質問した。
「お子様が生まれて野球面でどれくらい、いい影響を与えていますでしょうか。メリハリや切り替えの面も含めて……」
大谷の答えは以下の通り。
「できればすみ分けて……。あまり野球のどうこうというのを家に帰って持ち込みたくないです。1人でいるときはどうだったな、ああだったなという反省はあっていいと思いますけど、基本的にはグラウンドはグラウンド、家庭は家庭でと考えたいと思っている。そこも含めていい時間を過ごせているかなと思います」と続け、囲み取材が終了した。
結婚、元通訳の違法賭博、世界一に第1子誕生の激動
囲み取材後は大谷が語った“人生観を変えるようなこと”の詳細や真意について日本メディアの間で議論を呼んだ。もちろん詳細や真意は大谷しか分からないが――昨年は2月に真美子夫人との結婚を発表し、開幕直後は専属通訳だった水原一平受刑者の違法賭博問題が発覚した。苦難を乗り越えワールドシリーズを制し、今年4月には第1子となる長女が誕生した。この2年は移籍を含めて環境が多く変わったのは紛れもない事実だ。“31歳の現在地”が垣間見えた瞬間だった。