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「投手・大谷翔平、いまはまだ“リハビリ期間”だね」NHK解説者が絶賛する、ドジャース大谷“3つの変化”「手術前より良くなった“左手”」
posted2025/07/14 17:00
12日のジャイアンツ戦。復帰後最長の3回、36球を投げて4奪三振、無失点に抑えた大谷翔平(31歳)
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遠藤修哉Naoya Endo
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Getty Images
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大谷は6月16日のパドレス戦で約2年ぶりに投手復帰。先発で1回2安打1失点で28球で降板した。2度目の登板は22日のナショナルズ戦で1回を無安打無失点、2奪三振で18球。3度目は28日のロイヤルズ戦で、復帰後初めて2回を投げ1安打無失点、1四球1奪三振で27球で、自己メジャー最速の球速101.7マイル(約164キロ)をマークした。4度目は自身の31歳の誕生日の7月5日の強豪アストロズ戦、2イニングを投げて1安打3奪三振と好投した。
「とにかく前より力感がなくて、スピードが変わらず出るっていうのはすごいよね。投げるリズムがいいし、以前よりも暴れる感じが減った。これからもっとコントロールが良くなっていくと思う」
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そして5度目は12日のジャイアンツ戦。復帰後最長の3回、36球を投げて4奪三振、無失点に抑えた。
【1】「左手が変わった」
復帰後の数試合を見て、まず“リズム”と“フォームの安定感”を評価した武田。以前は力感が強く、腕を振る動作に無理が見えたが、今の大谷は「フォームで投げている感じ」があるという。
「左手の使い方がうまくなってる。あれで右肩が自然に出てくる。無理なく腕が振れるから、力感がなくても球速は出る。すごく理にかなってるよね。俺も現役時代は左手の引き方をかなり意識してたけど、大谷はそれが自然にできている。フォームの中でしっかりと身体が連動しているんだよ」
投手にとって、投げる側とは逆の手の使い方は実は重要だと武田は言う。左手を引くスピードが上がれば、結果として右肩の出も鋭くなり、体が回転、ボールにキレが生まれる。大谷のフォームはその点で進化していたという。
「2回目の手術でまた進化している。ケガをするたびに進化する、不思議な選手ですよ。普通はパフォーマンスが落ちるところだけど、彼は逆に良くなって戻ってくる」
【2】「効率のよい投球」球種が変わった
これまでのキャリアでも、ケガを挟むたびに新しい武器を手にしてきた大谷。今回の“リハビリ”でも、通常のライブBP(実戦形式の練習登板)ではなく、早期から実戦登板に移行するという異例のステップを踏んだ。
「ライブBPで20球投げるより、試合で20球投げる方がはるかに意味がある。緊張感も違うし、体の張り方も違う。大谷ならそのほうが合ってると思うよ」

