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「バレーボールが楽しい」女子バレー佐藤淑乃と和田由紀子は“新たなエース”になれる? 古賀紗理那も信頼した“里さん”が語る急成長の秘密
text by

田中夕子Yuko Tanaka
photograph byJVA/AFLO SPORT
posted2025/07/12 11:06
新生日本代表で存在感を発揮する和田由紀子(13番)と佐藤淑乃(26番)。ともに23歳、同じNECレッドロケッツ川崎でプレーする
もともと助走からジャンプ、スパイク動作が連動しているのが和田の特徴だが、短期間でも原理原則に基づいたトレーニングを重ね、身体が変化すればプレーはさらに変わる。「空中でボールヒットするまでに力むことがなくなって、助走からスムーズに跳べているので高さも落ちない」と実感する和田は、スパイクの力強さだけでなく「自信」というもう一つの大きな武器を得た。
「今までは言われたことをとりあえずやる、みたいな感じだったんですけど、今は言われたことを自分で分解して理解できるようになった。大会期間になると練習時間が限られるし、私は何回もやらないと自信がつかないタイプだったので、練習できない不安を持ったまま試合に臨んでいたんです。でも今はできる原理が自分でわかっているから、神経を使いすぎなくていい。その分、準備やリカバリーに時間や頭を使えるようになりました」
真価が問われる強豪との対戦
佐藤と和田の存在感が光った千葉ラウンドは2連勝。ファイナルラウンド進出も決めた。
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しかし、残る2戦はポーランドとブラジル。世界ランクで日本を上回る相手が待っている。結果よりもプロセスを求める時期であるとは理解しつつも、やるからには勝ちたい。佐藤は、特に最終日のブラジル戦に向けて闘志を燃やす。
「(ブラジル代表主将の)ガビ選手は、プレーはもちろん劣勢時の周りへのアプローチも含めて、毎回『すごいなぁ』と思う憧れの選手。でも、これからは絶対に勝ちたい相手なので、憧れを捨てて、勝つために頑張ります」
いかなる時も高い打点からボールを叩いて点を獲る。タイプの違う2人のエースが、日本代表をどこまで導くか。
助走の一歩目は、“未来”へ向けたスタートだ。

