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「バレーボールが楽しい」女子バレー佐藤淑乃と和田由紀子は“新たなエース”になれる? 古賀紗理那も信頼した“里さん”が語る急成長の秘密
posted2025/07/12 11:06
新生日本代表で存在感を発揮する和田由紀子(13番)と佐藤淑乃(26番)。ともに23歳、同じNECレッドロケッツ川崎でプレーする
text by

田中夕子Yuko Tanaka
photograph by
JVA/AFLO SPORT
7月9日、新体制が発足したバレーボール女子日本代表の国内初戦となる、ネーションズリーグのフランス戦。
第1セット立ち上がり早々、0ー5。
世界ランキングでも、過去の戦績でも大きく上回る相手に“まさか”のスタートとなったが、コートに立っている選手たちは冷静だった。
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1点を返した後、23歳のアウトサイドヒッター、佐藤淑乃はすぐに「次の1点をどう獲るか」と、頭の中でイメージを具体的に描いていた。
「相手の(ライトの)選手がブロックに跳ぶ時に、ライン(ストレート側)を空ける。そこがウィークだな、とわかっていたので、ゲームの出だしはここで取ろうと試合前から思っていました。トスを伸ばしてもらえたので、“しっかり打ち込もう”と(相手の)ブロックがいても迷わず打てました」
流れを引き寄せたサービスエース
狙い通り、ライト側のブロックに当たったボールが相手コートに落ち、日本に2点目が加わる。ようやく硬さも取れた中、さらに追い上げムードを加速させたのが、11-11と3点を追う場面で飛び出したサービスエースだった。
サーブを放ったのは同じく23歳のオポジット、和田由紀子。大きなジャンプから繰り出すドライブサーブで12点目を奪うと、さらにブレイクを重ねた日本が終盤の逆転劇で第1セットを先取した。
世界を見渡しても身長174センチのオポジットは“最小”といっても過言ではない。その中でも、ネーションズリーグではここまでチーム最多、全体でも4位の167得点(7月10日時点)を叩き出してきた。和田の言葉は自信に満ちていた。
「小さいからうまくやろうとは思わない。世界のオポジットとして同じように自分も点数を取って、同じように戦っていきたい気持ちが強い。何より一番は、誰よりも得点を取りたいです」
佐藤と和田の活躍で勢いづいた日本は、第2、3セットも連取し、終わってみればセットカウント3-0のストレート勝ち。ホーム初勝利となる大会7勝目を挙げた。


