「あんなに上手い人、見たことない」仲間たちが“天才”と認める女子バレー林琴奈（25歳）は日本代表に戻るのか？「パリ五輪後は“引退”もよぎった」

　林琴奈は自分に厳しい。厳しすぎるのでは、と思うほどに。

　同学年の関菜々巳が「あんなにうまい人、私は見たことない」と言うように、林はバレーセンスの塊だ。守備も攻撃もつなぎもオールラウンドにこなし、コート内をコントロールする術を知っている。バレー関係者が“天才”と評するのを何度も耳にしたことがある。

　しかし林自身は、「私、できるって思われすぎてる」と苦笑する。

リーグ優勝に貢献し、自身もレギュラーシーズンのMVPを受賞した林琴奈　©︎Naoki Nishimura/AFLO SPORT

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「自分ではそんなにできると思っていないんです。自分の中ではこの辺なのに、（周りは）このぐらいできるって、ハードルが上がりすぎています」

　そう言いながら自分の手のひらで表したその差があまりに大きかったので、「自分に厳しすぎるのでは？」と聞くと、「それよく言われます。厳しいです。完璧を求めちゃうから」と笑った。

　サーブレシーブの安定感もスパイクの技術も周囲からは高く評価されている部分だが、「スパイクはあまり得意じゃない。サーブレシーブも別に好きじゃないし、全然得意じゃないですね」と言うから耳を疑った。

「サーブレシーブは結構感覚でやっているので、感覚がちょっとズレたら、『あれ？　どうやって取ってたっけ？』となってしまうんです」

　では得意なものは？　と聞くと、「ディグ」と即答した。

「ディグは、上にあげておけばいいじゃないですか。サーブレシーブは（セッターに）きっちり持っていかないといけないというのがあるけど、ディグは、あんな強打をそこに返せるかといったら返せないので、あげればいいから」

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