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“爆発的に跳ぶ”ために毎日“腹筋500回”!? バレー古賀紗理那ジャンプ改造計画…スピードのプロが絶賛する理由「楽しみな夫婦ですね」
posted2023/06/02 11:05
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph by
JIJI PRESS
バレーボール女子日本代表にとって実に4年ぶりの国内公式戦となるネーションズリーグが5月30日から愛知県・名古屋で開幕した。
キャプテン古賀紗理那(27歳)は「緊張した」と苦笑いを浮かべながらも、ドミニカ共和国との初戦を3-1で勝利したことを評価した。しかし、自身のパフォーマンスに話を向けられると、「課題だらけ」とばかりに眉をひそめる。
「国際大会になると小手先だけでは(スパイクが)決まらないし、体重を乗せて打たないとブロックも弾けず、シャットの点数も増えるのでしっかり叩きたい。今日もしっかり力を入れているつもりでしたが、ちゃんとしたポイントで叩けるシチュエーションが少なかったので、同じテンポで入ることを意識しながら、これからの試合で精度を上げていきたいです」
こんなプレーがしたいと理想を掲げているからこそ、それができない歯がゆさやもどかしさがある。しかし、それこそが、古賀が着実に進化を遂げている証でもある。
「何か違う」スパイクに感じた“余裕”
何か違う――古賀のプレーを見てそう感じたのは、NECレッドロケッツが初優勝した昨年末の皇后杯でのことだった。
これまでと同様に攻撃準備からボールヒットまでの流れはスムーズで、擬音で表すならば「スッと入って、ピョーンと跳び、ズバンと打つ」。前衛だけでなく後衛からものびやかで、圧倒的なスピードを誇る。それだけならば何度も見てきたが、皇后杯で次々と放ったスパイクには余裕があった。
本人に問うと「それ、まさに聞いてほしかったんです」と一気にまくし立てた。
「里さんにいろんなことを教えてもらって、ジャンプのトレーニングに一から取り組んだら、明らかに身体が変わったんです。動き自体に速さが出たし、踏み込みで乗る力が違う。体幹も締まったので、空中姿勢がブレないからボールや相手(ディフェンス)を見る時間も長い。今までは、ジャンプしてそこから相手を見てどこに打つか考えていたんですけど、今は上がる時から相手を見て、空中でさらに先まで見る余裕があるから、いろんな場所に打ち分けられるんです」
イメージする動きに近づけているからこそ、繰り出す技の引き出しが増える。できることが着実に増えた実感があるからバレーボールが楽しい、と目を輝かせた。