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日本代表DF高井幸大20歳「トッテナム10億円電撃移籍」は日本サッカー株価アップの好循環…じつは「J→5大リーグ直行が急増」貢献したMFとは
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ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byHotspur FC/REX/AFLO
posted2025/07/12 11:05
プレミアの名門トッテナムへ加入した高井幸大。“多くの日本人が知らない”その価値の大きさとは(提供写真)
2025年に入ってから、1月の関根大輝(スタッド・ランス)、今夏の川崎颯太(マインツ)と合計3人も5大リーグへの移籍を果たした。
これは日本サッカー界全体のレベルアップはもちろん、佐野の貢献も大きい。Jリーグから5大リーグへ1年間で3人も直接移籍するのは、前述した2012年以来のことなのだから。
1月に海を渡った関根は、所属したスタッド・ランスがシーズン最終盤の思わぬ失速で2部に降格してしまった。とはいえ加入してからの17試合で15試合に出場したわけで、個人的にはまずまずのパフォーマンスだった。
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最後に、Jリーグから5大リーグへ直接移籍する日本人の傾向をまとめよう。
2020年から2024年までの5年間では、わずか3人。1年平均0.6人だった。それが今年になってすでに3人の移籍が決まった。実に約5倍のペースに急増しているのだ。
活躍→価値アップ→さらなる移籍の好循環が
この急激な変化で想起するのは――お金と景気、株の話だ。
景気がよくなると確信して多くの人がお金を使い始めると、景気は上向く。株価が上がると多くの人が考えて株を買い進めると、株の価値は高まっていく。
そうした傾向と今回は実に似ている。Jリーガーが5大リーグへと直接移籍して、佐野のように活躍する選手が出てくれば、日本人選手の価値が高まる。それによって移籍のしやすさはグッと高まる。続く選手たちが活躍すれば、さらなるJリーガーのステップアップを促す。つまり、高井の移籍自体がすでに快挙なわけで、今後の移籍の呼び水となる。
そしてもちろん、イングランドの名門で高井が活躍すればするほど――日本人選手の株はさらに上がっていくという好循環が生まれていく。そんなエキサイティングなストーリーを見逃してはならない。
〈※編集註:記事に移籍選手の抜けがあり修正いたしました。移籍市場レポート:つづく〉


