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日本代表DF高井幸大20歳「トッテナム10億円電撃移籍」は日本サッカー株価アップの好循環…じつは「J→5大リーグ直行が急増」貢献したMFとは
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ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byHotspur FC/REX/AFLO
posted2025/07/12 11:05
プレミアの名門トッテナムへ加入した高井幸大。“多くの日本人が知らない”その価値の大きさとは(提供写真)
〈現在、欧州5大リーグに所属している日本人選手〉
プレミアリーグ(5人):三笘薫、鎌田大地、田中碧、遠藤航、高井幸大
ラ・リーガ(2人):久保建英、浅野拓磨
セリエA(1人):鈴木彩艶
ブンデスリーガ(10人):伊藤洋輝、堂安律、佐野海舟、板倉滉、町田浩樹、鈴木唯人、チェイス・アンリ、藤田譲瑠チマ、川崎颯太、福田師王
リーグ・アン(2人):南野拓実、オナイウ阿道
合計20人いるが、Jリーグから直接5大リーグの1部クラブへ移籍した選手は5人しかいない(※当初セカンドチームなどの登録だった伊藤らを除く)。大半がベルギーやオランダなど、西ヨーロッパのなかで2番手クラスのリーグを経由して、5大リーグにたどり着いている。
じつは近年、5大リーグ直接移籍が減っていた
Jリーグから移籍する選手の低年齢化(キャリアをしっかり積み上げる前の移籍)が進んでいるため、近年はヨーロッパの5大リーグへの直接移籍するケースが大きく減っている。
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例えば、2012年には酒井高徳、清武弘嗣、酒井宏樹の3人が日本からブンデスリーガへ移籍した。ただ、この年をピークに5大リーグへの直接移籍は一気に減った。その次に成立したのは2014年、原口元気のドイツ移籍であり、一気にペースが落ちた。2017年以降は以下の通りになる。
2017年:鎌田大地(フランクフルト)
2019年:昌子源(トゥールーズ)
2020年:遠藤渓太(ウニオン・ベルリン)
2023年:鈴木唯人(ストラスブール)
ここにスペインへ“戻った”久保建英(2019年)がいるくらいである。
かつては日本人の登竜門だったドイツにしても、昨年、佐野海舟(マインツ)が4年ぶりに直接移籍を果たしたほどた。
“市場価値800%アップの34億円”佐野の活躍を受けて…
佐野のマインツでの大活躍は記憶に新しい。
ブンデスリーガでは走行距離で全選手のトップに輝き、キッカー誌が選手のアンケートによって決めるリーグ全体のMVP投票でも5票も入った。ブンデスリーガにおける日本人選手としては奥寺康彦が1982-83シーズンに記録して以来となる全試合スタメン出場を果たした。
何より、市場価値が驚異的な伸びを見せた。
Transfermarktによる佐野の市場評価額は、マインツ移籍時の250万ユーロ(約4億2750万円)から800%もアップして、2000万ユーロ(約34億2000万円)に。現在では日本人選手のなかで5位につけるまでになった。
注目すべきは、この潮流に乗っているのが高井だけではないことだ。

