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なでしこジャパンPRESSBACK NUMBER
「モモコは世界一になる」“天才的ゴール連発”なでしこ20歳MFの本音は「まだまだです」「きょうだいゲンカ、恋しいですよ」谷川萌々子に直撃
posted2025/07/13 17:00
バイエルンでの1年目を過ごした谷川萌々子。なでしこジャパンを将来を担う20歳に話を聞いた
text by

了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph by
Gualter Fatia/Getty Images
90分、大会通してはまだまだなので
谷川萌々子――と聞いて脳裏に浮かぶのは度肝を抜く、いくつかのゴールだろう。本人もそれらが自身の代名詞となりつつあることは認識している。だが、それらのゴールについての話となると苦笑いを浮かべることになる。こんな口調で、苦笑いの意味を教えてくれる。
「そういう1つのゴールでたくさんの方に印象を持ってもらえてるんですけど、実際サッカーで90分間通して、大会を通してとなると、活躍度っていうのはまだまだなので。そこは、自分個人でもすごく思うので、もっとチームに貢献できるような選手に……うん、なりたいなっていう風には思います」
代表的なところを挙げるだけでも、こんなにある。
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2022年、U-17女子W杯スペイン戦での40メートル無回転シュート、2024年のパリオリンピック・ブラジル戦での途中出場直後のファーストタッチゴール、今年2月のドイツ杯準々決勝フランクフルト戦、85分からの出場にして決勝点アシストとダメ押しゴール、同じく2月、日本代表として臨んだシービリーブスカップ・コロンビア戦でのキックオフ18秒左足ゴール。
そのどれもが、ネット検索で切り抜きの類の動画にたどり着く。試合の時間帯、彼女にボールが渡ってからのタイミング、ゴールポストや相手ディフェンダー陣との角度や距離、どの要素を取っても驚かされる。衝撃すぎて奇想天外というか、とんでもゴールとでも言おうか……そんなゴールの数々である。
派手なゴールよりも試合を通して貢献したい
自分の一発で試合を変えて印象を残し、価値を上げた。そこに満足してもいいはずだが、谷川は心底「派手なゴールよりも試合を通してチームに貢献したい」と思っているように見えた。とはいえ「このインタビュアーは誰もが聞くようなことを聞いて、全くもう」というニュアンスの苦笑いではなく(それもあったかもしれないが)、自分としても活躍もしくは貢献しきれていないことに、もどかしさを感じているようだ。

