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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「カタールW杯も、難しいよねという状況からだった」浅野拓磨は“苦境が伸びしろ”…ケガ続きの1年も「可能性0%から1%、2%となるのが楽しい」
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戸塚啓Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2025/06/11 17:00
浅野拓磨のリーガ初挑戦はケガで不完全燃焼だった。来年のW杯に向けて、新シーズンはジャガーポーズ量産を誓う
苦しい時期こそ伸びしろ
——振り返ればカタールワールドカップ前も右ひざのケガで2カ月以上実戦から遠ざかりながら、懸命のリハビリでメンバー入りしました。
カタールワールドカップの数カ月前を振り返れば、周りから見たら、いや、自分でも客観的に見て、普通は難しいよねっていう状況でした。でも、そういう状況に追い込まれれば追い込まれるほど、もう失うものがない状況になるほどに、やっぱり“浅野拓磨”が出てくるんです。
——苦しい時期はすべて伸びしろ、決して後ろ向きにならない、最後まで諦めない、というメンタリティですね。
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あの時はそれを、すごく感じました。毎日毎日リハビリをして、ワールドカップ出場の可能性がほぼ0パーセントから1パーセント、2パーセントに変わっていくのは、やっぱり好きですし。毎日が楽しかったですよ。
——そういう経験をしているからこそ、ケガを繰り返しても立ち上がれる、這い上がれる。
カタールワールドカップ前のリハビリ期間中も、周りからはレベルが下がっているように見えたかもしれないけれど、自分のなかでは上がっている感覚でした。下がっていたら、ドイツ戦でゴールは取れなかった。成長できている感覚があったんです。ケガをしたらまたその感覚を求めて、やり続けるだけですよね。
努力は苦にならない
——努力が苦にならない。
僕自身の感覚では、努力というのは自分があまりやりたくないことや、苦しいことに取り組むイメージがあります。でも、ケガから復帰するためのリハビリでも、日々のトレーニングでも、僕にとってはやりたいことであり、目標達成のためにやるべきことなので、苦にならないんですね。努力しているという感覚もないんです。
——日々の小さな積み重ねによって、自分のなかのスタンダードが上がっているのでしょうね。
うん、そういう感覚はありますね。
〈全2回/2回目につづく〉

