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「それを捨ててまで移籍します?」23億円オファー拒否から1年…遠藤航とリバプールは相思相愛「もし実力者を補強しても」英国人記者ズバリ
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ジョン・ブルーウィンJohn Brewin
photograph byMolly Darlington/Copa,Getty Images
posted2025/06/12 17:01
遠藤航を熱望するクラブは多いが、リバプールとは“相思相愛”の状況が続いているようだ
遠藤は中盤の底から全体を動かすような司令塔ではなく、危機の芽を摘み、奪ったボールは近くに散らすことが多い。スロット監督はフェイエノールト時代からハイプレスよりポジショナルプレー、カウンターアタックより自発的な攻撃を好み、リバプールでの1年目も同じだった。だから、遠藤の出番は激減したのだ。
スロット監督を引き抜いたリバプールのスポーツディレクター、リチャード・ヒューズは若手の新戦力を好む。新シーズンへの中盤の補強のウィッシュリストには、パリ・サンジェルマンのジョアン・ネヴェス、ポルトのアラン・バレラ、レアル・ソシエダのマルティン・スビメンディ、スポルティングのモアテン・ユルマン、アタランタのエデルソンらの名前があるという。昨夏、プレミアリーグでのデビューシーズンに臨むスロット監督は、フェデリコ・キエーザくらいしか即戦力を補強してもらえなかったので、今夏は複数の実力者を迎えることが予想される。
「監督からの信頼を感じる」「ワタはとても知的」
そうなると、遠藤は放出されるしかないのだろうか。彼自身、チームでの自身の立ち位置を理解していて、3月にはこんな話をしている。
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「自分は最後の15分とか20分くらいに投入されることが多い。特に勝っている時ですね。出番が来れば、良いプレーを心がけています。監督とはよく話をし、僕の姿勢やチームとの関わりを褒めてくれますね。それもあって、今は監督からの信頼を感じますし、ここにいられてハッピーです」
一方、スロット監督は5月の記者会見で、遠藤についてこう語った。
「ワタはとても知的な選手だ。彼の試合展開を読む能力は、多くの若手が参考にすべきものだ。それは得難いものでもある。とはいえ、もちろん私たちはすべての側面を評価したうえで、新シーズンに備えていく」
遠藤は“ミルナーのような”頼れる存在に
昨夏にスロット新監督を迎えたばかりのリバプールは、マルセイユから届いた遠藤への推定移籍金1180万ポンド(当時のレートで約23億5000万円)のオファーを退けている。彼の代役がいないことを理由にして。
では今、そのようなオファーが届いたら、クラブはどう対応するだろうか。リバプールには厚い選手層が必要だ。2024-25シーズンは指揮官がローテーションをあまり使わなかったこともあり、終盤には選手たちが目に見えて息切れし、リーグカップは決勝で敗れ、FAカップでは4回戦で2部の最下位だったプリマス・アーガイルに屈し、ショッキングなニュースをもたらした。

