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「基本は(来季も)リバプールです」遠藤航はプレミア連覇へ不可欠…英国人記者が聞いた「ワタはエゴと無縁」「模範的リーダー」仲間からの評判
posted2025/06/12 17:00

インドネシア戦での遠藤航。試合後には“リバプール残留”を基本線として語っていた
text by

ジョン・ブルーウィンJohn Brewin
photograph by
Kiichi Matsumoto
控えでも完璧な準備でプレミア王者に
遠藤航のリバプールでの2シーズン目は、容易く評価できないものに終わった。アンカーでの序列が下り、出場機会は限られたものの、カルトヒーローとして一部のファンに熱烈に愛され、最後はプレミアリーグ王者になったのだから。
2023年夏にシュツットガルトから、驚きを伴ってリバプールに加入した日本代表主将は、デュエルの強さと知的な所作を認められ、ユルゲン・クロップ監督の最後のシーズンの中盤戦からレギュラーに定着。しかし今季から指揮を執るオランダ人のアルネ・スロット監督は、同胞のライアン・フラーフェンベルフを重用し、遠藤はポジションを奪われる格好となった。
それでも彼はプロフェッショナリズムを高く維持し、常に完璧な準備をして、出番が来れば、信頼に足るパフォーマンスを披露した。最終節のホームでのクリスタル・パレス戦では69分に投入され、シーズン途中から試されていたセンターバックを担った。つまり遠藤は、リバプールがマンチェスター・ユナイテッドに並ぶ20度目のリーグ優勝を飾ったシーズンの、最後の終了の笛をピッチ上で聞いている。
自分の仕事は5分であろうと90分であろうと…
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2024-25シーズン、遠藤は全公式戦で12試合(プレミアリーグでは1試合)に先発──前シーズンの29試合と比べると大きく減っている。その理由は前述したフラーフェンベルフの存在にあり、このオランダ代表MFはプレミアリーグで1試合を除くすべての試合に先発した。
スロット監督はポゼッションベースのダイナミックなスタイルを標榜し、アレクシス・マクアリスター、ドミニク・ソボスライ、そしてフラーフェンベルフを中盤の軸とした。クロップ前監督は遠藤を最終ラインの前の防波堤として起用し、ほかの中盤の選手は攻撃的にプレーしたが、今季のチームはそうした役割分担をさほど明確にしなかった。またフラーフェンベルフは23歳で、遠藤は32歳。クラブの未来を考慮しても、前者の重用は妥当な選択だったと言える。
それでも、遠藤が士気を落とすようなことはなかった。レッズの背番号3は言う。