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プロ野球PRESSBACK NUMBER
1年で退任→二軍監督→2度目の就任は「かなり考えました」楽天・三木肇監督“オファーが絶えない男”の横顔「理想は父。小さい頃、夜中に起きると…」
text by

佐藤春佳Haruka Sato
photograph byHaruka Sato
posted2025/05/15 11:01
楽天の三木肇監督
“栗山ファイターズ出身”監督の系譜
2012年に栗山英樹監督が就任すると一軍内野守備コーチに昇格しリーグ優勝に貢献。この頃のコーチ陣には、現オリックスGMの福良淳一、前オリックス監督の中嶋聡、現ロッテ監督の吉井理人、侍ジャパン元監督の稲葉篤紀ら、のちの野球界で指導者として活躍する辣腕が揃っていた。
「野球の捉え方や野球観の話をするとそれぞれ違うんですよ。その後監督を経験された方も多いけれど、みんな野球観の芯は持ちつつ、固定観念や先入観にとらわれず新しいことを柔軟に取り入れている。色々な意見を言い合って、沢山のことを学びましたね」
2014年からはヤクルトに戻り、真中満監督のもと15年のリーグ優勝に貢献した。特に山田哲人は三木の懇切丁寧な指導で苦手意識のあった走塁が開花。3度のトリプルスリー達成に導いた“恩師“として、今もその名を挙げて度々感謝の言葉を口にしている。
楽天監督就任→いきなりコロナ禍突入し…
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2019年に楽天の二軍監督を務めた三木は翌20年、一軍監督に就任する。その船出は、コロナ禍という予想もしない逆風にさらされた。社会が混乱に陥り、プロ野球の開幕は延期に。練習再開後も楽天は12球団の中で最も厳格な対応をとっていたため、調整は難しかった。しかし、それでも自分たちのできることに専心する選手の姿に三木監督は心打たれたという。
「練習もバラバラだったけれど、開幕に向けて頼むよ、と伝えたことをみんながしっかりやってくれた。そんな難しい調整を経て迎えた6月19日の開幕戦で、選手たちがプレーする姿は今も忘れられないです」

