酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
巨人電撃移籍リチャード「中田翔や筒香嘉智と同等、山川穂高超えのシーズン本塁打数」ソフトバンク“二軍の帝王”とスターの成績は紙一重だった
text by

広尾晃Kou Hiroo
photograph byHideki Sugiyama
posted2025/05/14 11:05
巨人への電撃トレードが決まったリチャード。ソフトバンク二軍時代の成績は名だたるスラッガーと同等以上の成績を残している
横浜高から2009年1位で横浜に。当時、二軍は湘南シーレックスと名乗っていたが1年目に26本塁打を打った。以後、一軍と二軍を往復する日々が続いたが2014年にレギュラーに定着、16年には本塁打、打点の二冠をとっている。
ロッテの竹原をはさんで、現ソフトバンクの山川穂高。沖縄県立中部商から富士大を経て2013年2位で西武へ。山川も一軍定着には時間がかかり、規定打席に達したのは5年目の2018年だが、この間、2014年、16年とイースタンの本塁打王をとっている。このあたりまで、リチャードと似た経過をたどっているのだが……。山川は一軍では2018、19、22、24年と4回本塁打王になっている。
スターと“二軍の帝王”は紙一重である
2009年の岡田貴弘はのちのT-岡田だ。大阪、履正社高から2005年高校ドラフト1巡目でオリックスに。彼も下積み時代が長かったが2009年にウエスタン・リーグで21本塁打を打ってタイトルを取り、翌2010年は33本塁打でパ・リーグ本塁打王になっている。二軍から一軍と2年連続で本塁打王。急速なステップアップとなったのだ。
こうして見ていくと、スター選手と「二軍の帝王」の間が「紙一重」であることがますます実感できるのだ。〈つづく〉

