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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
「彼がダルビッシュから打ったホームランが流れ変えた」大谷翔平でもフリーマンでもテオスカーでもなく…NHK解説者が選ぶ、ドジャースの“意外なMVP”とは?
text by
沼澤典史Norifumi Numazawa
photograph byAFLO
posted2024/11/12 11:00
ワールドシリーズを制覇した直後、キケ・ヘルナンデス(33歳)と抱き合う大谷翔平
「基本的にはサブの選手なんだけど、ポストシーズンではダルビッシュから先制ソロ、メッツ戦でもホームランを打つなどいいところで打った。しかも、ムードメーカーで、お祭り男の彼がノッてくるとチームも勢いづく。こういう短期決戦に強い選手が打つと流れが一気に傾きます。日本シリーズでもDeNAの桑原将志が、キケと同じくキーマンだった。もちろん、初戦のフリーマンのサヨナラ満塁ホームランも相当流れを引き寄せたよ」
ドジャースが優勝を決めた第5戦は、ヤンキースのエース、ゲリット・コールがベースカバーを怠り、主砲のアーロン・ジャッジが落球するなどミスも目立った。そこにも流れがあったと武田氏は語る。
「ベテランが大事な場面でミスをしたのは、勢いに押された部分もあると思います。ジャッジのケースは、ランナーを気にして、ボールから一瞬目を切ってしまったんだろうね。あとライナー性の当たりって、ボールが結構揺れるから捕球が難しいんですよ。こういうことはいくらでも言えるけど、やっぱりドジャースに運と勢いと流れがあったのは間違いない」
「来年は“15勝40本”、めっちゃすごいよ」
大谷は目標としていたワールドシリーズ制覇を早くも達成してしまったが、武田氏は「来年は倍楽しみですよ」と来年の大谷の活躍を予想する。
「来年はピッチャーもするでしょう。大谷はシーズンが終わった瞬間に、来年が楽しみな選手。おそらく来年は、登板前日に試合を休むだろうから、週1回は試合に出ない。ただ、それでも130試合の出場で、500打席は立つから規定打席には達します。しかも、エンゼルス時代は15勝、34本塁打のシーズンがあったから、最低でもそのくらいはできるだろうと。ドジャースのチーム状況を考えると打線の援護があるから、15勝はほぼ確実。ホームランも今年の様子から見ると40本は打つんじゃないかな。15勝40本って、めっちゃすごいよ」
来年、大谷は31歳を迎えるが、年齢的な衰えもまったく見えないという。
「俺は33、34歳くらいが一番パフォーマンスが良かったけど、多くの野球選手は30歳を過ぎると平行線になって、徐々に落ちていく。大谷は、今年これだけ打ったから、来年はさらに充実期になっていくかもしれないね。もう、彼は何歳なんだかわかんないよ。どんな成績を残すか想像がつかなくなってきているね」
山本のピッチングと大谷の投打の活躍で、ドジャースが連覇を成し遂げるか。
<続く>