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「オオタニと差が開いてしまった…」「まさか落球」ヤンキースの英雄から“戦犯”に「死ぬまで忘れない」アーロン・ジャッジが負った深すぎる傷
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byGetty Images
posted2024/11/06 11:05
大きな期待を寄せられていたアーロン・ジャッジ(32歳)。自身初のワールドシリーズは、苦い記憶として刻まれた
2024年の戦いが終わり、もともと責任感の強いジャッジは今頃、真綿で首を締め付けられるように辛い時間を過ごしているのだろう。せっかちな大都会の中で、大舞台で結果が出せなかった主砲の責任を問う厳しい声ももちろん飛び交っている。現役No.1プレイヤーについて語る際、大谷との差も開いたのかもしれない。
ただ……繰り返すが、これで扉は閉じたわけではない。必要以上に過激になりがちな一部を除き、依然として多くのファン、関係者は球界最高級の人格者でもあるジャッジが秋にも大爆発し、頂点に立つことを心底から熱望している。
「私のキャリアが終わるまでには多くの傷を負うだろうけれど、その時にはできれば勝利も手にしていたい」
傷心の中でも最後まで丁寧に地元メディアの質問に答え、ジャッジの2024年は終わった。ニューヨークの秋は短く、これから長い冬が待ち受けている。A・ロッドや松井氏と同じように、現代のスーパースターのヤンキースキャリアにもいつか歓喜のハイライトが待ち受けているのかどうか。その答えが出るまで、さらに1年、あるいはそれ以上の長い間、ニューヨーカーはまた静かに待たなければならない。