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「日本のプロ野球のほうが盗塁しにくい」説も…大谷翔平“昨季20個→今季もう46個”、なぜ盗塁が2倍以上に急増した? NHK解説者が語る「日米ピッチャーの差」
text by
沼澤典史Norifumi Numazawa
photograph byAFLO
posted2024/09/06 18:10
今季すでに46盗塁(現地9月4日時点)。8月からは「三盗」を決めるシーンも増えている
ドジャースは現地時間9月17日以降マーリンズ(ナ・リーグ東地区5位)3連戦、ロッキーズ(同西地区5位)3連戦、そして27日からもロッキーズ3連戦がある。ここで大谷がホームランを積み上げる可能性が高いと武田氏は見ているのだ。
一方、タイトル争いで言えば、7月は打率も首位だった。しかし、8月を終えて3割を切り、5位に沈んでいる(9月2日現在)。三冠王獲得も夢ではなかったが、ここにきて首位打者のタイトルは少し厳しくなってきたかもしれない。
「打席数が多くなってきたから、もう打っても1厘くらいしか上がらなくなっている。仮に大谷が9月にマルチヒットを重ねて3割5厘くらいに乗せ、上位が打率を落とせば、首位打者もありえるかもしれないですね。でも、ルイス・アラエス(パドレス)が首位で、その下にマルセル・オズナ(ブレーブス)、T・ターナー(フィリーズ)といったヒットメーカーがいますから、彼らが3割を大きく下回ることは考えにくいですね。ただ、忘れがちですがメジャーで日本人がタイトルを取るだけですごいんですよ。僕も含めてみなさん三冠王を期待しちゃうけど、大谷の活躍がすさまじすぎて感覚が麻痺してしまっていますよ」
「昨季20個→46個」なぜここまで盗塁が急増したのか?
また、今季の大谷の目覚ましい成績と言えば、盗塁だろう。大谷はメジャーのキャリアでの最多盗塁は2021年、エンゼルス時代の26個。昨季は20個だったが、今年は50個を目前にしている。この理由を武田氏はこう話す。
「今年は打者に専念していますから、本人も盗塁数の増加は狙っていたんでしょう。実際、シーズン前から走塁練習に重点を置く様子が報じられています。表現としては、『走れたのに投手での出場のことを思って走れなかった』というほうが正しいんじゃないでしょうか。今シーズンは55盗塁はいくと思いますね」