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セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
不倫騒動にカネへの欲望…「妻を寝取られたイタリア夫が何をしでかすか」批判されても“名将を育てた名将”76歳で死去エリクソンの大功績
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byJ. Quinton/Getty Images
posted2024/08/28 11:03
イングランド代表監督時代、ベッカムとともに写真に収まるエリクソン
主だった者だけでも、昨季セリエA優勝を果たしたシモーネ・インザーギ(インテル)を筆頭に、イタリア代表を率いてEURO2020を制したロベルト・マンチーニ(サウジアラビア代表)、ディエゴ・シメオネ(A・マドリー)、アレッサンドロ・ネスタ(モンツァ)、セルジオ・コンセイソン(前ポルト)、デヤン・スタンコビッチ(スパルタク・モスクワ)、マティアス・アルメイダ(AEKアテネ)など錚々たる顔ぶれが並ぶ。
これにユベントス副会長を務めたパベル・ネドベドや南米の名門エストゥディアンテス会長のフアン・セバスティアン・べロンも加わるから、エリクソンの門弟リストは圧巻という他ない。昨年早逝したシニサ・ミハイロビッチ(ボローニャ等)も門下生だ。
アマリーグや育成年代の指導経験者まで含めると、その数は20人を優に越える。サッカー史上、名チームや名将は数あれど、1人の監督の下からこれほど多くの後継者たちが輩出されたケースは希少だろう。
選手たちが個性派揃いなら、彼らを率いた監督はより輪をかけて誰より個性派だったというわけだ。
ネスタやベッカム、ライバルクラブも追悼した
ラツィオで勝ち取った最後のタイトルから四半世紀近くが流れた。それでも、スウェーデンが生んだ指揮官の栄光が色褪せることはない。
逝去の報道を受け、ラツィオでともに栄光を勝ち取ったネスタやシモーネ・インザーギ、ベロンやアルメイダ、イングランドでともに戦ったベッカムらがSNS上で追悼した。さらにはライバルとして戦ったイタリア中のクラブもそれに追従している。
エリクソンはイタリアのみならず世界のサッカー史において、永遠の“Mr.スクデット2000”であり続けるだろう。<第1回からつづく>