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不倫騒動にカネへの欲望…「妻を寝取られたイタリア夫が何をしでかすか」批判されても“名将を育てた名将”76歳で死去エリクソンの大功績
 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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photograph byJ. Quinton/Getty Images

posted2024/08/28 11:03

不倫騒動にカネへの欲望…「妻を寝取られたイタリア夫が何をしでかすか」批判されても“名将を育てた名将”76歳で死去エリクソンの大功績<Number Web> photograph by J. Quinton/Getty Images

イングランド代表監督時代、ベッカムとともに写真に収まるエリクソン

 何とか血を見ずにエリクソンは愛するナンシーといっしょになったが、彼らのパートナー関係は10年で終わりを告げた。これに飽き足らず、色男スベンはイタリア人女優や母国のTV司会者、さらにFAの女性秘書とも浮名を流し続けたから、対戦相手のファンが野次のネタに困ることはなかった。

ベッカムもオーウェンも電話1本で連れてこれる!

 イングランド代表時代の06年1月にはタブロイド紙のドッキリに引っかかったこともある。

 記者扮するドバイの石油王がアカデミー創設を謳って提示した高額ギャラに目がくらみ「代表監督を辞めてもいい」と口を滑らせた。調子に乗ったエリクソンは「アストンビラ(のクラブ所有権)が2500万ポンドで売りに出ているから買わないか?」とプレミアリーグのクラブ買収の斡旋までしていた。

「ベッカムでもオーウェンでも私なら電話一本で連れてこれる」と豪語したことまで暴露され、とんだ赤っ恥をかいた。記事が公になると激怒したFAから召喚され説教もくらった。

 並の神経の持ち主ならすぐに参ってしまいそうだが、エリクソンの辞書に世間体という言葉はなかったらしく、素知らぬ顔で仕事をつづけた。

 色にも欲にもストレートで何が悪い。煩悩上等だ。何という図太さ、いや胆力の持ち主か。

エリクソンは“名将を育てた名将”だった

 エリクソンがサッカー界で認められたのは、5大リーグ以外の辺境国出身という彼の出自も大きく影響している。

 スクデットを獲得した24年前のシーズン開幕時、セリエAの外国人監督はエリクソンとカリアリを率いたオスカル・タバレス(元ウルグアイ代表監督)の2人だけだった。外国人指導者は戦術大国イタリアで2倍苦労するかもしれないが、結果を出せば称賛も2倍だ。

 世紀をまたいでエリクソンを名将たらしめている理由はもう一つある。ラツィオ時代の教え子たちの多くが、現在名指導者として第一線で活躍しているからだ。

【次ページ】 ネスタやベッカム、ライバルクラブも追悼した

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