佐々木朗希が投げなかった“登板回避”…決勝相手だった花巻東の監督が明かす本音「私も大谷翔平の登板を回避した」天才を育てる“苦悩”

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大谷翔平で経験…花巻東・佐々木洋の証言

　花巻東高校の監督である佐々木洋は、令和の怪物こと佐々木朗希のいた大船渡高校と戦った2019年の岩手大会決勝をこう振り返る。

「試合前、私としては怖かったんです。（当時の）県営野球場は朗希君を応援するような雰囲気となるでしょうし、震災の被害が甚大だった沿岸部の、しかも岩手県として久しぶりの公立校が甲子園に出ることになれば、地域の発展や復興への貢献につながるので大きな期待があった。準決勝までの戦いぶりからして、私は朗希君が先発だと思っていました。甲子園に出場するためには、朗希君から打たないといけないと思って、時間をかけて対策を練っていました」

　あの日、メンバー表を交換すると、相手先発に佐々木朗希の名はなかった。佐々木洋が続ける。

「うちの選手たちには『朗希君がマウンドに上がる前に、点を取ってしまえ！』と指示していました。もし登板していたら？　頭から投げていたら、あの年の夏は甲子園に出られなかったかもしれません」

2019年夏の岩手大会決勝、大船渡の相手は、佐々木洋監督が率いる花巻東だった ©Asami Enomoto

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　強豪私立の指揮官として、チームの「勝利」と個の「育成」という両輪を回す必要がある。勝利をひたむきに目指す過程で、選手のケガを生んでしまえば元も子もない。骨格が成長しきるのが遅いと言われる大型選手であれば、なおさら無理をさせたときのリスクは大きく、在学中に成長痛と向き合わなければならないケースもある。

　佐々木洋も、2010年から大谷翔平と過ごした2年半で、同じような経験をしていた。

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