結果を左右した“小さな違い”の積み重ね

「個」について言うと、スペインの選手たちは個人技術と個人戦術に優れています。「パススピードが速い」「ボールを止める技術が優れている」「見るところが多い」といったところで、ほんのちょっとずつですが時間の差が生まれていました。

スペインの3点目。CKのこぼれ球をアベル・ルイスが押し込んだ　©Takuya Kaneko/JMPA

　スペインの選手たちは、ボールを止めると同時に目線が上がっていることが多い。Jリーグでアンドレス・イニエスタ選手と対峙した時に、自分の守備の動きが見られている感じがするので寄せきれない、プレッシャーにいったところでパスをさばかれる、という感覚を覚えました。日本の選手たちも、似たような感覚だったのではないでしょうか。

　それに対して日本の選手は、スペインの選手に比べると、まだ下を向いてしまう回数が多いのです。ボールコントロールが少しでも乱れると、目線が下がるので見えるものが少なくなり、選択肢が減る。もちろんそれだけが理由ではないのですが、そこのちょっとした違いの積み重ねが、0対3という結果につながっているように感じます。

＜続く＞