「そんな裏事情が！」なでしこ谷川萌々子“体調不良で欠場”に落胆も…ブラジル人記者が絶賛「低迷を脱した」「米国に臆さず惜しかったよ」

　パリ五輪女子サッカーで、なでしこは準々決勝で優勝候補アメリカと対戦。90分間を終えて0－0だったが、延長前半のアディショナルタイムにゴールを許して惜敗した。

　男子に続いて――ブラジルメディアきっての日本通であるチアゴ・ボンテンポ記者に試合の感想を聞いた。

タニカワの不在は痛かったが組織としてよく対抗した

――試合前、あなたは「アメリカは非常に強い。前半は0－0、悪くても1失点までに抑えて、後半に勝負を懸けたい」と話していました。

「なでしこは、100分以上の間、ゲームプランを完璧に遂行していた。しかし（元NBAのスター選手）デニス・ロッドマンの娘、トリニティー・ロッドマンの技術とパワーにやられてしまった」

――この試合のなでしこの先発メンバーをどう思いましたか？

「CBに高橋はなではなく古賀塔子を起用し、左右のウイングバックに北川ひかると守屋都弥という攻撃的な選手を起用したのは意外だった。また、グループステージ（GS）ブラジル戦の殊勲者である谷川萌々子がベンチにすら入らなかったことに驚いた」

――谷川は、体調不良だったようです。5日の帰国直後、谷川はマスク姿で取材に応じて、ナイジェリア戦後から「少し（兆候は）あったかな」と明かしています。なお同日、取材に応じた佐々木則夫女子委員長によると、パリで滞在した選手村で罹患した可能性があったようで、実際に古賀も発熱してナイジェリア戦でメンバー外となりました。

「そんな裏事情があったとは……何はともあれ谷川の不在は、日本にとって非常に痛かった」

コンディション面で苦しんだ谷川だが、ブラジル戦での大活躍を踏まえると、万全であれば……との考えはチアゴ記者も同様だった　©Takuya Kaneko/JMPA

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――前半は、アメリカのスピード豊かでパワフルな攻撃をなでしこが高い位置からのプレス、激しい当たりとコンパクトな布陣で食い止める、という展開でした。

「なでしこは、組織としてよく対抗した。アメリカにボールは握られたけれど、決定的なピンチはほとんど作らせなかった」

――アメリカは、GSから先発メンバーをほとんど変えず、この試合でも体調不良のCBを入れ替えたほかはこれまでと同じ。後半に入ると、アメリカ選手の運動量が明らかに落ち、なでしこがボールを保持する時間が増えました。

「その証拠に、アメリカのフォーメーションは守備時が4-3-3で攻撃時には左サイドバックのクリスタル・ダンが上がって3-4-3になるんだけど、後半途中から攻撃時でもダンが上がるのをやめ、常に4-3-3となった。一方、日本はMF長谷川唯が機を見て高い位置まで上がり、危険なクロスやシュートを放つようになった」

決勝点はロッドマンを褒めるしかない

――なでしこにとって、良い展開となりつつあったのでは？

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