ライオンズの苦境の中で…

　ボールを握れず、将来の不安が胸を占領していた日々に比べれば、一歩前進していることが証明できる悩みだからだろう。

　ライオンズの一軍は大型連敗などもあり、苦しい戦いを続けている。

「もちろん戻れるなら一日も早く戻りたいです。でも、あそこ（一軍マウンド）は、僕が『戻りたい』といって戻れるところではないですから、とにかくしっかり状態を戻して、コンディションを上げて、待つしかない」

ファンの祈りと声援と…

　手術によって森脇が負ったダメージや、リハビリに費やした長い日々を思うと、簡単に言えることではない。しかし多くのファンの声と拍手に森脇が励まされたように、現状を打破しようと戦う周囲の選手たちと、苦戦するチームにそれでも連日、祈るような思いで声援を送るファンが、今度は森脇の姿に励まされるのではないだろうか。

一軍のマウンドで再び勇姿が見られる日をファンは待ち望んでいる　©︎JIJI PRESS

「何らかの影響を与えられるように頑張りますとは、今の僕の状況だとなかなか言えません。今は自分のことで精いっぱいなので。でも僕の姿を見て何かを感じてもらえるとか、自分も頑張ろうって思ってもらえるとか、そういう風に受け止めてもらえたらうれしいし、自分もまた頑張ろうと思えますね」

　慎重に、そして回復の手ごたえを感じながら森脇は一軍マウンドへの道を歩み続けている最中だ。