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「これは命に関わる病気」突然医師から告げられて…西武・森脇亮介が語る緊急手術と壮絶リハビリ「一日も早く戻りたい」“あの場所”への道
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byJIJI PRESS
posted2024/07/26 11:01
ライオンズファンは森脇復活の日を待ち望んでいる
襲いかかった病魔
森脇をアクシデントが襲ったのは1年前のことだ。7月12日、北九州でのソフトバンク戦に中継ぎとして登板し、相手打線を無失点に抑える好投を見せてホールドを記録。
しかし降板直後、右腕に異変を感じる。
通常、登板したあとに感じる筋肉の張りとは異なる痛みだった。腕を上げようとすると肩の高さより上に行かない。
翌日、病院で診察を受け、診断された病名は「右上腕動脈閉塞症」。そのままストレッチャーに乗せられて病室に運ばれ即、入院となる。長い時間をかけてできた血栓で、血管の一部が詰まっていたのだ。
「これは命に関わる病気」
「まずは自分の体がどうなっているのかわからないという不安ですよね。どれくらいで家に帰れるんだろう、いつ退院できるんだろうとばかり考えていました。担当の先生に『いつ退院できますか?』と聞いたら『動脈が詰まっていて怪我とか故障、いわゆるスポーツ障害の類とは違うので、もっと重く受け止めてください』と。『これは命に関わる病気なので』と強い口調で言われまして……」
そこでやっと事の深刻さを思い知る。
熟考の結果、根治を目指し、わきの下を切って血管を修復する術式を選んだ。治療方針が決まり手術に至るまでの時間が約10日間。朝から消灯時間まで病室から出ることもできず、さまざまなことを考えたという。
「まさか自分がそんなことになるとは思っていませんでした。これまで病院にお世話になるようなこともなくて、行くとしたら歯医者さんぐらい。それなのに、まさか……という感じです。不安でしたね。これまで野球しかしてこなかった人生で、これから先、どうすればいいのか。自分に何ができるかなと、いろいろと考えてしまって」
強烈な痛みと不安
ちょうど森脇に話を聞いたのが入院から約1年後の7月12日。
「1年前の明日の夜に入院することになるんですけど、今日まで、あっという間でしたね。当時は1日1日が長いなぁと思っていましたけど」