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「これは命に関わる病気」突然医師から告げられて…西武・森脇亮介が語る緊急手術と壮絶リハビリ「一日も早く戻りたい」“あの場所”への道 

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市川忍

市川忍Shinobu Ichikawa

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photograph byJIJI PRESS

posted2024/07/26 11:01

「これは命に関わる病気」突然医師から告げられて…西武・森脇亮介が語る緊急手術と壮絶リハビリ「一日も早く戻りたい」“あの場所”への道<Number Web> photograph by JIJI PRESS

ライオンズファンは森脇復活の日を待ち望んでいる

 手術のあとは術後の強烈な痛みにも襲われ、ベッドの上でのたうち回った。最も強い鎮痛薬を点滴しても、たった1時間しか効かない。夜中に何度も目を覚まし、不安に襲われた。

「あれから1年経ったんですね」と、今でこそ笑顔で振り返るが、当時の森脇の心境は容易に語れないほど複雑だっただろう。

「あの頃に比べると、今はだいぶ、体の不安は少なくなりました」

復活への険しい道のり

 今春、キャンプ中に長い距離のキャッチボールをスタートし、傾斜のついた場所でも立ち投げができるようになった。キャンプ後の所沢での練習ではマウンドで投球練習ができるように。そしてチーム練習時のバッティングピッチャーを務め、実戦へと、ゆっくりとではあるが、体は回復してきた。

 ただし、ピッチングの状態となると話は別だという。

「まだまだ試行錯誤しながら投げている感覚です。これは手術前から覚悟していたことですが、手術前と全く同じように投げることはできないと思っています。フォームも変わってくると思う。ですから、手術前の自分の動画などを見る機会もあまりないですね。過去を参考にするよりは、別の新しい何かを参考にしたほうがいいと思っているので。おそらく見ている人にはわからない程度の少しの変化かもしれませんけど、変わっていくとは思います」

 過去の自分を手放して、新しい自分でスタートする。そうきっぱりと語る。

「やっとここまで来たか」

「今も気持ちの浮き沈みに波はあります。やっぱり一軍の試合を見ているときとか、他のピッチャーが投げている姿を見ると『投げたいなぁ』とか『自分だったらこの打者相手ならこういう攻め方するなぁ』とかつい考えてしまって。投げたいなって胸がざわつきます。でも一番大切なのは自分の体と相談することで、気持ちでは投げたくても体がついてこないので『まぁ、いつかは投げられるようになるよ』って自分に言い聞かせます。投げられるときが来るまでの辛抱だって思い込んできました」

 投球の内容については「まだまだ思い描くところまで行けていない」と語る。

「今の僕の体が出せるスピードや、投球時の力感、それを思い描く投球とマッチさせていくことが目標です。そういったイメージと体の差にずっとモヤモヤはしているんですけど、それにも何段階かあって。退院して練習を再開したものの、何もできないときの心境や、手術を決める前の心境と比べると、今の方が全然いい。投げ方とか、投げるボールのことだったりで、野球に対して感じるモヤモヤですから。『やっとここまで来たな』と思える悩みなんです。もちろん、すごく悩んでいて、こんな気持ちを味わうのは本来は嫌なんです。早く解決したい悩みなんですけど『やっとこの悩みで頭をいっぱいにできるようになったんだな』という感慨深さはありますね」

【次ページ】 ライオンズの苦境の中で…

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