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「これは命に関わる病気」突然医師から告げられて…西武・森脇亮介が語る緊急手術と壮絶リハビリ「一日も早く戻りたい」“あの場所”への道

posted2024/07/26 11:01

 
「これは命に関わる病気」突然医師から告げられて…西武・森脇亮介が語る緊急手術と壮絶リハビリ「一日も早く戻りたい」“あの場所”への道<Number Web> photograph by JIJI PRESS

ライオンズファンは森脇復活の日を待ち望んでいる

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市川忍

市川忍Shinobu Ichikawa

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JIJI PRESS

 ブルペンを出てマウンドに走り出す背番号127に向かい、スタンドから大きな声が飛んだ。

「森脇!」

「待ってたぞ!」

脳裏に浮かぶ光景

 マウンドでいつものように丁寧にロジンバッグを触っていた森脇亮介の脳裏には、様々な過去の風景が浮かんでいた。手術後、初めてトレーナーを相手にボールを下から投げたときのこと。長い距離を投げられるようになったキャンプ中のこと――。

「拍手と、ファンの方の声援が後ろの方から聞こえてきて。あんなに拍手をいただけるとは正直、思っていなかったんです。『お帰り』という声も耳に入ってきて……。入院していたときのことや手術後のあれこれが全部バーっと頭に浮かんできて『うわ、これはヤバいぞ』と……」

 今、顔を上げたら涙がこぼれる。

 森脇は幾度もロジンを触って気持ちを落ち着かせた。

「覚えていてくれたんだ」

 7月3日、ベルーナドームで行われたイースタン・リーグの日本ハム戦で、森脇が約1年ぶりに公式戦に登板した。森脇は昨年7月に「右上腕動脈閉塞症」で出場選手登録を抹消され、8月に上腕動脈パッチ形成術を受けていた。今オフには育成契約を結び、復帰登板を目指してリハビリを続けてきた。

「あんなピッチングになると思わなかったですね(苦笑)。ロジンを置いて立ち上がった瞬間から体の感覚が変で、フワフワして力が入らないんです。宙に浮いているような感じ。あれは緊張だったんですかね。『自分のことを覚えていてくれたんだ』というありがたさとか、応援してくれていたんだという嬉しさもあって、動揺してしまい10球連続でストライクが入りませんでした。小学生のときから野球をしていますけど、あんな経験は初めてでした」

 照れくさそうに苦笑した。

【次ページ】 「これは命に関わる病気」

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