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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「また背が伸びてない?」パリ五輪代表“192cmの逸材CB”高井幸大19歳とは何者か?「宮本会長もイチオシ」“急成長のウラ側”を本人に聞いた
text by
いしかわごうGo Ishikawa
photograph byShigeki Yamamoto
posted2024/07/24 11:04
サッカーパリ五輪代表メンバーで最年少の高井幸大(19歳)。五輪を前にNumber Webのインタビューに応じた
「ポテンシャルの化け物」が語る内面の変化とは?
身長192cm、体重は90kg。恵まれた体躯と足元の技術も兼ね備えた現代型センターバックは、スピードもアジリティも申し分なく、同僚のセンターバックである大南拓磨から「ポテンシャルの化け物」と評されている。Jリーグの屈強な外国人ストライカーと渡り合いながら成長を続ける俊英は、全体練習後はベテランの家長昭博を慕って過ごし、筋トレルームでのメニューも欠かさない。「身体を大きくするというところは自分の課題の一つだと思って、意識してやってきました」と継続的な肉体強化に取り組んでいた。
実際、身体が大きくなっている印象はあり、囲み取材で番記者陣と「また背が伸びてない?」というやりとりを交わすこともあった。フィジカルに重点をおいてレベルアップを遂げてきた中で、もっとも変化を感じているのが「気持ち」だと口にしたのは意外だった。
そもそも、ピッチでの高井は内面をあまり出さない選手だった。
昨年、18歳でトップチームの試合に出始めた頃に目を引いたのは、スケールの大きいプレーと、その冷静さである。感情の起伏が少なく、クールな印象を受けるセンターバックだったのだ。
あるときにその理由を尋ねたら、「感情でサッカーをするのは良くないと思っているので」と明かしてくれた。試合中に相手や自分にイライラすると、判断やプレーが乱れてしまう。だから、あまり感情を入れすぎないようにしているとのことだった。
しかし、今は違う。
「最近は考え方が変わったかなと思います」
パリ五輪本番を控えて、そんな風に変化を口にしているのだ。
「気持ちを表に出すことも大切だと今は思っています。静かにやっていてもよくないので」
ある意味、昨年とは真逆のスタンスである。言われてみると、確かにここ最近の彼はピッチで声を張り上げ、感情を表現することも厭わなくなってきている。
例えば6月26日の湘南ベルマーレ戦。
田中聡に豪快なミドルシュートを決められた次の瞬間、ゴール前にいた高井は右手を振り上げ、強い感情を込めた大きなアクションをしている。
「ボールホルダーに対して寄せるときに自分がもっと声を出せば、ボランチも迷いなくいけたのかなと思います」