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「これが坂本か…」打撃不振で登録抹消の巨人・坂本勇人35歳 “復活ミニキャンプ”で再生をかけた挑戦…ショート復帰プランを考えてもよい? 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph bySANKEI SHIMBUN

posted2024/07/08 17:00

「これが坂本か…」打撃不振で登録抹消の巨人・坂本勇人35歳 “復活ミニキャンプ”で再生をかけた挑戦…ショート復帰プランを考えてもよい?<Number Web> photograph by SANKEI SHIMBUN

6月26日に一軍登録を抹消された巨人・坂本勇人。ファームでの”復活ミニキャンプ”で再生をはかれるか

 高卒2年目から遊撃手として歴代1位の2046試合に出場。攻守で巨人の要としてプレーを続けてきた。しかし近年は持病となっている腰痛に加え、一昨年は仙腸関節炎、昨年は右大腿二頭筋長頭肉離れなど“勤続疲労”ともとれる故障を頻発。プロ17年目の昨年9月7日のヤクルト戦で守備の負担を軽減して、打撃を生かすために三塁手へのコンバートが断行された。

 背景にはルーキーながらショートのポジションで抜群の守備力を見せた門脇誠内野手の出現があった。門脇はシーズン終盤には課題だった打撃でも成長を見せ、昨オフに就任した阿部監督は今季構想として三塁に坂本、遊撃に門脇を真っ先に固定。一塁の岡本和真内野手に二塁の吉川尚輝内野手を加えた内野構想でシーズンをスタートしたのは周知の通りである。

 しかしフタを開けてみると、打撃に専念させるためのコンバートだったのに、肝心の坂本のバットが湿りっぱなしなのである。

「これが坂本勇人か」という凡打の姿

 開幕から4月末までの1カ月余は打率2割1分8厘で3本塁打、9打点というスタート。5月は打率2割8分6厘まで戻したが本塁打は0で打点も5だった。そして6月は打率1割5分9厘の1本塁打4打点と数字は急降下していった。

 何より「これが坂本勇人か……」と思うような凡退の姿に驚かされた。上半身と下半身がバラバラで、スイングが波打つ。ボール球にバットが止まらない。鋭い身体の回転でインコースを見事にさばく坂本本来の打撃は影を潜めてしまっていた。

 ファームでの再調整が決まった直後に、一軍の試合を訪れた元広島監督の山本浩二さんが「形とかじゃない。これだけやったんだということを作ってから、戻ればいい。たとえば1週間、ぶっ通しでアメリカンノックをやったらいい」と阿部監督を通じてアドバイスしていた。確かに技術的な問題ではないのは明らかだ。基本的には下半身がきっちり使えなくなっていることが、この不振の要因と見て間違いないだろう。

坂本復活の手段

 そんな坂本の不振の一つの原因として、三塁コンバートの影響を指摘する声がある。

【次ページ】 坂本復活の手段

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